考えてみれば、このところ「音楽」カテゴリではライブ盤(またはライブの映像)をとりあげることが多い気がする。
⇒ Roy Hargrove in Leverkusen⇒ 欧州吹き込み盤に駄盤が少ない理由⇒ Stan Getz at Storyville はレコードで聴くきょうもライブ盤。
Sonny Clark Memorial Album (Xanadu)
recorded live at a house in Oslo, Norway 1954
ソニー・クラークが米国西海岸で活躍していたころの演奏にもの足りなさを表明する人が多い。
いわく
「
ソニクラの魅力は後ろ髪をひかれるようなタッチ。西海岸時代にはそれが希薄」
こういう意見に対して私は異議を申し立てるつもりはまったくない。おっしゃるとおりだと思う。
しかしアート・ペッパーと共演したレコード(単なるジャズ・ファンとしてボブ・アンドリューズ Bob Andrewsがテープレコーダーを持ちこんで録音した、音質が悪いアレです)を例に出すまでもなく、西海岸時代の演奏にも良いものはある。
きょうとりあげるレコードはロケーションこそヨーロッパだが、西海岸時代の録音であることには間違いないので、これもまた通説に反する事例と言っていいだろう。
まあ、とにかく聴いてください。
ノルウェイの有名なジャズ関係者(たしか女性だったはず)の自宅で録音したテイクの数々。"after hours"と呼ばれるものだと思う。偶然テープレコーダーを持っていた人がいたんだろうね。音質はもちろん良くない。
しかしクラークのいわゆる「ソニクラ節」のオンパレードだ。後年のTime盤に聴かれるフレーズがときおり現れるので、思わずニヤリ。
こういうの好きだ ♪☆\(^ ^\)♪
ドナルド・バードがパリで吹き込んだブランズウィック盤と同様、ジャズマンに対して敬意を払っている地域ではアメリカの演奏家が実にすばらしいパフォーマンスを見せてくれる良い例だ。
A面B面あわせて全7曲のうち、ソロでやっているのが5曲。トリオでやっているのが2曲。もちろんトリオのテイクがいいに決まっている。
その2曲とは "Oslo" と "After You've Gone"。いずれも10分を超える演奏。でも、もっともっと長く聴いていたい。長尺の演奏が冗長な演奏にならないのが西海岸時代のソニクラの良いところ。
ある意味、彼のピークはこのころだったのではないかと最近思う。
この記録はいわゆるプライベート録音というのかな。誰がテープレコーダーを回していたかは知らないが、このテープ(のコピー?)が後年ドン・シュリッテン Don Schlittenの手に渡り、彼の設立したレーベル、ザナドゥー Xanaduからめでたくリリースされたというシロモノだ。つまりソニー・クラーク没後数十年をへてお目見えしたレコードということになる。
このXanaduというレーベルの所有する音源が現在どのレコード会社からリリースされているのか、私は知らない。過去にテイチク、徳間音工、日本コロンビアなどがこのレーベルの国内発売権を持っていたが…
知っているのは、このレーベルのボス、ドン・シュリッテンがリタイアしてしまったことだけ。
私もクラークが本当に素晴らしかったのは50年代中ごろまでと思っています。この演奏、録音したのはノルウェー、オスロのランディ・フルティンです(女性)。クラークが56年に、ルロイ・ヴィネガー、ロレンス・マラブルのトリオで入れた録音が未発表のままであることをごぞんじですか?レコード会社はベスレヘムです。
2006/09/10(日) 22:53:43 |
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swing dog Rick #-[
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ご訪問、ありがとうございます。
同じ日にいただいた他の4個のコメントの件をふくめて、数日以内に関連記事を書いてみたいと思いますので、よろしかったら、またお越しください。
2006/09/11(月) 19:06:04 |
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ArtSalt(管理人) #K.0xfTSU[
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