ArtSaltのサイドストーリー

音楽、フリーウェア、WEBサービス、食べものなどに関する日記。トラックバック、コメント歓迎。

ポプラ社が反デジタル教科書キャンペーン

本日(8月27日)の朝日新聞朝刊3面にポプラ社の広告があった。以下はそこからの引用。

デジタル教育は日本を滅ぼす

知っていますか? 2015年に教科書のデジタル化が実施されようとしています。
「デジタル化」によって、何を得て、何を失うのか?

検索すれば「正解」が提示されるデジタル教科書。先生にも友人にも聞く必要がありません。

人間関係とは「言葉の共有」によって初めて成立するものです。子どもたちから「コミュニケーション能力」と「議論の場」を奪って良いのでしょうか?

今、教育の原点を見つめ直す時
緊急提言の書、刊行!

【緊急提言! デジタル教育は日本を滅ぼす :田原総一朗著 | ポプラ社(1,470円)】

これは田原総一朗氏の主張というよりもポプラ社の主張じゃないかなあ。

ポプラ社は学校の教科書をつくっているわけではないが、子供向け書籍専門の出版社と言ってよい。だからこの問題に強い関心を寄せる気持ちはよくわかる。しかし原口総務大臣が言っている「2015年までにすべての小中学校にデジタル教科書を配備」が本当に実現するとしても2015年になったら全国の全生徒のすべての教科書がデジタル化するわけじゃないと思う。そもそもそれ以前にモデル校をつくってそこでデジタル教科書が本当に使い物になるかどうか実験をやるはず。

これが本当にポプラ社の見解だとしたらもう少し冷静にこの問題を考えてほしいね。

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英語の語源とかコアイメージ

id:yamashiro109さんの「コア・イメージ - 英語の読書でやりなおし」を読みました。以下はそこからの引用とそれに対する私の感想です。

なんというか、“take”は「取り込むイメージ」で、“in”は「内部に」というところまでは全然いいんです。

でも、そこから“take in”は「内部に取り込む=抱く」です!という説明のところで分かんなくなる。

これって、“anthropo”は「人間」で“log”は「学問」だから“anthropology”は「人類学」だ!ってのと何も変わらないんですよね。

おっしゃるとおりやり方は同じです。takein は古英語に由来し、anthropology はおそらくギリシャ語に由来する点だけが異なりますが。

当然ながら共通点となる要素、ここでいうと“in”のイメージとか“log”のラテン語での意味とかを覚えておかなくちゃいけない。

でもそれって暗記のポイントをずらしただけなわけで。

アルクの語源辞典見ても分かるけど、量がいっぱいあるんですよ。

http://www.alc.co.jp/eng/vocab/etm/top50/index.html

もちろんこれで理解できた方もたくさんいるんでしょうけど、人を選びますよこれは。

読書猿さんのブログ「英語の接尾語(辞)をまとめてみた」をはてなブックマークした約1,000人に対する婉曲な皮肉ですか? 私は気が弱いからそこまで言いませんけど。

読書猿さんが書き連ねていることから学ぶべき点があるとすれば、それは「接頭語や接尾語を学んだほうが英単語を覚えやすい」という単純な事実です。読書猿さん自身もこれらの接尾語や接頭語を全部暗記できるとは思っていないでしょう。

英単語を覚えるとき辞書の語源欄に目を通すのは漢字の偏(へん)や旁(つくり)を学ぶことと似ています。「木へん」とか「やまいだれ」とか「ウかんむり」とか。おそらく英語ネイティブたちもこの手のものを義務教育でざっと学ぶはずです。暗記する必要はないけど覚えておけば得するよというだけの話です。それ以上でもそれ以下でもありません。

もうひとつ、どんなルールにも例外があるわけですけど、コアイメージ法も語源学習もその例外が多すぎ。

例外は例外としてそっとしておけばいいのに、強がって「そんなの全部この法則で説明できちゃいますよ!」ってやるから無理がくるんです。

おかげでどうみてもこじつけとしか思えないものもたくさんありますよね。

例外は確かにあります。私なども反省しないといけませんね。ときには理屈ぬきで丸暗記したほうが効率的であるのは認めます。

どうもコアイメージやら語源を必要以上にありがたがってる人が考えているのは、句動詞やら単語やら無数にあって収拾がつかないから共通項(コア・語源)を理解すればあとはそれらを組み合わせることで無限に応用が効く、つまりは暗記量を減らせるんじゃね?ということだと思います。

でも実際やってみると、コアイメージを覚えなくちゃいけない。覚えたはいいけどこんどはそれらの組み合わせから本来の意味にたどり着くのに毎回連想ゲームをやらないといけないという矛盾。

「コアイメージやら語源を必要以上にありがたがってる人」の中には大西泰斗氏や田中茂範氏の信者だけでなく私なども含まれると思うので全力で反論します。

as という変てこりんな英語があります。「~と同じ」「~のように」「~のままで」「~としての」「~したとき」「~しながら」「~なので」「~だけど」などなど、さまざまな邦訳が当てられます。で、id:yamashiro109さんはこれの邦訳を全部丸暗記したほうがよいとお考えでしょうか? 私ならご免こうむりますね、記憶力が悪いですから。

Online Etymology Dictionary にあるように、as は "all so" です。allutter とだいたい同じ意味。強調です。そして so は "that way". つまり as の根源的な意味あるいはコアイメージは「全くそのとおりだよ」ということ。空間に着目すれば「同一性」、時間に着目すれば「同時性」です。

  1. As he often lies, I don't like him. - すぐ嘘をつくから嫌いだ。
  2. A kiss is just a kiss, a sigh is just a sigh. The fundamental things apply. As time goes by. - 口づけは口づけ。ため息はため息。ものごとの基本的な部分は変わりないのさ、時が過ぎても。

英語ネイティブの言語学者が書いた文法書でさえ#1の as を順接、#2の as を逆接とみなしていることは私も知っています。しかしネイティブたちが言葉を発するとき、「さあ、これから逆接の as を使って話すぞ」などといちいち考えるでしょうか? 絶対考えません。

as は同時性です。上記の#1であれば、"he often lies" と "I don't like him" が同時に発生していると考えればいい。#2も同じ。"The fundamental things apply" と "time goes by" が同時に起きているわけです。

分類好きな言語学者がどんな屁理屈をこねようと asas であり、同時性なんですよ。ではなぜ as に「順接」とか「逆接」の感覚があるかというと、同時発生する二つの事象が並ぶとヒトの脳はそこになんらかの関係をみいだしてしまうからです。その関係はときには因果関係(順接)であったり、ときには「逆接」であるわけです。

ようするに何が言いたいかというと、as は「同時性」とか「同一性」と覚えておけばよくて、「~として」「~のように」「~だけれども」「~だから」なんて日本語を対応させる必要はないということ。これが私の考えるコアイメージ学習法です。もちろんこの方法だけでは不十分であることは私も承知しています。その文法(as にはいろんな使い方があること)を学ばなければいけません。

トラックバックは嫌いなのでやりませんが、id:yamashiro109さんがこのエントリをお読みになってくだされば幸いです。

AmazonがKindleの次に作るもの

売れ行き好調なKindleに続いてAmazonが新たなハードウェアを開発中という噂。最初に言い出したのは数日前(8月10日付)のニューヨーク・タイムズだと思う。
Amazon Is Said to Look at Hardware Beyond Kindle - Bits Blog - NYTimes.com

このへんの噂を日本語で詳しく紹介しているWebサイトが見当たらないので大雑把に翻訳した。

Kindle開発で知られるAmazonのLab126が project program manager, hardware engineer, system engineer を大量に募集している。募集されている人たちは次期Kindleに搭載されると思われるタッチスクリーンやカラースクリーンの開発に携わるのだろう。しかしそれ以外のガジェットである可能性もある。

内部の事情を直接知る者によると、Lab126は一般消費者向けのガジェットの開発を検討している。Amazonは電子書籍と音楽の購入そして映画のレンタルと購入を簡単にできるディバイスをつくりたがっているらしい。もともとLab126という組織はそのような目的でつくられたのだ。今のところはKindleだけだが。

ある人曰く、「AmazonのCEOである Jeff Bezos 氏の本来の目標はいろんなディバイスをつくることだ。音楽プレーヤーや他の電子機器をつくるという噂があるよ」。この人物によると、Lab126は携帯電話 (mobile phone) の市場に参入しようと検討しているとか。

Amazonの代理人はこの件に関してコメントを避けている。

内部事情を直接知る人たちによれば、同社のハードウェア部門には約80名の欠員があり、それが埋まりそうもないことから、それらの試作機が明らかになるのにはまだ時間がかかると思われる。現在AmazonはタッチスクリーンのTouchcoのような小さな企業を買収することに熱心だそうだ。

Amazonの幹部たちは他の企業がデジタルコンテンツ市場に参入することに神経を尖らせている。彼らはAmazonがコンテンツ市場の主要なプレーヤーであり続けることを願っており、そのためにはどんなに時間がかかることでも行う準備があるそうだ。Appleは今年の始めにiBookStoreを始めている。Google Book Store の計画もある。これらはAmazon電子書籍の直接的な競争者だ。

Kindleの次にAmazonにつくってほしいものをオイラがあげるとすると、DAPというかKindleの音楽版だね。アメリカに住んでいる人でないと買えないので日本では忘れ去られているけど、Amazonは数年前DRMフリーのMP3音楽を売り出した。これを日本でも簡単に買えるようにしてくれないかなあ。iTunes Store は好きじゃないので尼さんにはがんばってほしい。

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ヨーロッパの電子書籍化が遅れる理由

「電子書籍化が進むアメリカ。進まない日本」という風説をよく聞くけど、ヨーロッパの事情はあまり知られていない。オイラも全く知らなかったのでTwitterでたくさんの人たちがハッシュタグ#denshiをつけたこのエントリは読み応えがあった。
Why there's no EU Kindle: the view from a European suburb | FutureBook

以下に要点をまとめた。

  • 第1にAmazonの不在。ヨーロッパにはAmazonがない。Amazonは英語の本を売るだけでいいが、ヨーロッパのオンライン書店がヨーロッパ全部の言語で書かれた電子書籍を売るのは難しい。ヨーロッパのオンライン書店は昔ながらの書店が経営しており、電子書籍ビジネスにあまり関心を寄せていない。
  • 第2に税金。EUでは紙の本にかかる税率が非常に低いが、電子書籍に対しては重い。紙の本を読むのは文化だが、Kindleの読書は文化ではないのだ。マーシャル・マクルーハン曰く「メディアはメッセージである」。
  • 第3に多言語と翻訳の問題。ヨーロッパでは多くの本が翻訳される。これらの本が電子化されると翻訳者への報酬がもう一度発生する。既刊書を電子化するとき、仮に売り上げの50%が作家の代理人 (literary agent) に、20%が税金に、30%が小売りに渡ると合計100%だ。これでは出版社と翻訳者への支払いぶんがない。代理人の受け取るぶんを25%に減らしても出版社と翻訳者の諸費用を補うには至らない。
  • 第4は英語の本を読む非英語ネイティブがEUで増えていることだ。当然AmazonのKindle本についても同様であり、ヨーロッパにいながらEUの税金と関税を支払わずに安いアメリカ価格で本を買えるのだ。EU当局はこのような「国境を越える電子書籍」に対する課税方法をまだ決めていないのが現状である。
  • ここまで述べたことを簡潔に言おう。逆説的な話だが、EU当局の硬直した姿勢、代理人の貪欲、及びヨーロッパの文化的多様性がAmazonのようなアメリカの書店の優位性をもたらし、英語を商業と文化における主要言語たらしめている。ヨーロッパに書籍販売のビジネスモデルが導入され、1台の電子書籍端末でさまざまな言語を扱えるようになればこのような動きはゆるやかになると思われる。

これを投稿したのは Miha Kovac さんという人で、is currently publisher at Mladinska knjiga Group in charge of company’s digital strategy and associate professor at the Department of Information Science at the University of Ljubljana, Slovenia. In 2008, his first book in English Never Mind the Web. Here Comes the Book was published by Chandos in Oxford. だそうだ。

Miha Kovac さんは「ヨーロッパにはAmazonがない」とおっしゃるが、実際には http://www.amazon.co.uk/, http://www.amazon.fr/, http://www.amazon.de/ がある。おそらく彼に言わせると「English Amazon, French Amaozn, German Amazon はある。しかし EU Amazon はない」ということだと思う。印税とか原稿料とか税金などのカネに関係する法律や決まりごとは各国バラバラではなくEU全体で共通しているようだ。ヨーロッパの人たちにとって理想なのは "EU Amazon" または "EU Barnes & Noble" のような形かもしれない。

紙の本が電子書籍よりも安いというヨーロッパの事情は日本とよく似ている。多くの人が勘違いしているが、大雑把に言うと再販制度があっても日本の紙の本はアメリカよりも安い。アメリカではハードカバーがべらぼーに高いからこそ Kindle Edition が歓迎されているのだ。

多言語と多文化云々はさまざまなフォーマットが乱立する日本の事情に似ている…かもしれない。非関税障壁?

この Miha Kovac さんがヨーロッパの電子書籍事情を正確に説明しているかどうかはわかりません。詳しい人がこのエントリに対して補足してくだされば幸いです。

Twitterでこっそりと嫌がらせをする方法

Twitterの話。replyの代わりに使われる非公式RT(厳密にはmentionと同じ)を嫌う人が多い。「改竄される可能性がある」とか「返信なのか言及なのかはっきりしろ!」とか。で、twit-tshirts を使えばこっそりと誰かに嫌がらせのmentionができることが判明。

  1. TwitterのTシャツをつくって販売しているtwit-tshirtsのページを開き、たとえば@SmartSaltさんに対して嫌がらせしたければ SmartSalt と入力。
  2. このようなページが開かれる — twit-tshirts SmartSalt さんのつぶやきTシャツ
  3. ある程度時間が経過すると@SmartSaltさんに対してこのようなmentionがなされる — .@SmartSalt のTシャツが作られました! http://twit-shirts.net/view/SmartSalt/19068866253 #twit_shirts

注意 — 常にmentionするとは限らないようだ。

つぶやくのはあくまでも@twit_shirtsさん。つまりこのボットがあなたに代わってこっそりと誰かに嫌がらせmentionしてくれるわけだ。Twitterにログインしなくても可能。誰かのreplyタブに無意味なmentionを並べて困らせてやりたいけど、自分の仕業だとは知られたくない — そんな人にとっては実にありがたいサービスだ。素晴らしい。

ただしこの悪ふざけは非公式RTを多用している人たちにはあまり効果を発揮しない。彼らはmentionとreplyの区別なんてどうでもいいと思ってる鈍感な人たちだから不快だとは感じないと思う。

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