ArtSaltのサイドストーリー

音楽、フリーウェア、WEBサービス、食べものなどに関する日記。トラックバック、コメント歓迎。

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日本の電子書籍でもAppleとAmazonだけが勝つ

既に「外国人が見た日本の電子書籍事情: Fionの与太話」で概略が紹介されているけど、"Waiting for a Push: the Japanese eBook market in 2011" という非常に興味深いブログ記事があった。これは日本独特の電子書籍事情を論じた Robin Birtle さんの文章で、今後の電子書籍市場の牽引者としてソニー、楽天、Yahoo! JAPAN、Apple、Amazonを比較する視点が非常に斬新だ。実を言うと私も出版社とかソニーなどのハードウェア企業には見切りをつけていて、期待できるのは楽天と amazon.co.jp じゃないかな、と思っていたところなのだ。

英語で書かれたこの良記事を日本語に翻訳したいと思い、これを書いた株式会社サッカム社長 Robin Birtle さん、編集した Paul Biba さんに連絡したところ、快く了承していただいた。ありがとうございます。Thank you, Robin Birtle and Paul Biba.

以下は私の拙訳であり、誤訳があるかもしれない。

日本の電子書籍業界は活気にあふれているが何の進歩もない。東京電機大学出版局長の植村八潮氏は、最近の電子書籍ブームは実際には「電子書籍セミナーのブーム」にすぎないと嘆く。

この業界の落胆は毎年6億ドルの収入と20%を超える成長率(インプレス R&Dの調べ)と矛盾するかのように見える。しかし総収入のうち75%が漫画である。漫画と雑誌を除けば電子書籍の顧客ベースの拡大に特に注目すべき進歩はないようだ。

AmazonがKindleを出す前はアメリカではさまざまな形式の電子書籍があった。当時のアメリカの電子書籍市場は今の日本のそれとよく似ていた。品揃えは悪く、ガジェット指向の読者が多く、電子書籍のコンセプトを打ち出す大手書店は皆無だった。これらの課題すべてに対処したのがAmazonである。彼らはKindleで複雑なことを簡潔にした。日本にはこれまでこのようなpushがなかったが、そのかわりに消費者の側にpullがあり、それによって電子書籍漫画が著しく成長した。その理由を理解するには日本の混雑した通勤電車に目を向ける必要がある。

毎日およそ200万人が電車で東京に通勤している。中央線で最も混雑する駅には同じ方向に向かうプラットフォームが2箇所あり、これによって2分間に1回の割合で電車が到着できるようになっている。満員電車は不快ではあるが避けることはできない。通勤電車に乗っている人だけが電子書籍の読者であるわけではない。しかしこのような極端な環境こそが急激な技術革新を呼び起こしたのである。1999年NTTドコモは一連のiモードの携帯電話を売り出した。これは電子メールとさまざまなWebコンテンツにアクセス可能なものだった。満員電車の中でぺしゃんこになった乗客は片手でつり革を握りながらもう片方の手でiモードの携帯電話を操作できたのである。彼らは即座にこのサービスに注目し、携帯電話で読むコンテンツを求めた。

電車通勤する人々が出版社からpullするカテゴリーのひとつが漫画であることは疑いない。漫画がこのような特別な地位にあるのにはふたつの理由があり、単に人気があるからではない。第一に漫画本は非常にかさばる。雑誌というより電話帳を持ち歩くようなものだ。こんな大きい本を開くのは東京から郊外に向かう比較的すいている帰りの電車内でも困難である。もうひとつの理由は、読んでいるものを他の人に見られたくない人がいることだ。それが性的にあからさまな内容であればなおさらである。

漫画とは対照的にペーパーバックの小説は小型だ。これは「文庫」として知られている。文庫本はA6サイズだ。つまりアメリカのペーパーバックよりもかなり小さい。1冊の文庫本に収まらない小説であれば2冊またはそれ以上に分割されて売られている。これなら小説も満員電車の中で扱いに困ることはない。東京都心の主な駅には大きな書店があるので家に帰るまで1冊の小説を買い求めるのは容易である。書店のレジでは文庫本にカバーをつけてくれるので彼または彼女たちは自分の読書嗜好を他の乗客に知られることがない。

電子書籍の漫画ブームにあっては小説を読みたいと思う消費者側からのpullはない。今日にいたるまで電子書籍市場は広範な支持を得るのに苦労している。いろいろな電子書籍端末が現れては消え、魅力あるものは何ひとつ残らなかった。最近になって専用端末がふたつ登場した。SONY Reader と biblio Leaf である。後者は携帯電話キャリアーのKDDIで買える。しかしながらいずれも iPad, iPhone あるいはAndroid搭載のさまざまなタブレットやスマートフォンに見劣りする。

電子書籍漫画のブームの中で雨後のタケノコのように現れたオンライン電子書店には旧来の書店、印刷会社、出版社が加わった。彼らの目的はデジタル化された出版界で生き残ることである。これらの書店のカタログはアメリカに比べるとちっぽけだ。ほとんどは数万冊のタイトルしかなく、KindleやNookに有料のものだけで数百万冊のタイトルがあるのとは好対照だ。43社から成る日本電子書籍出版社協会 (EBPAJ) でさえ合計で2万冊以下である。Papylessには200,000タイトルがあって突出しているが、そのうちの約半分はアメリカOverDrive社と共同で売る英語タイトルなのだ。

乱立する電子書店に困惑する消費者は電子書籍を買うことよりも読むためにやらなければならないことのほうが大変であることに気づくはずだ。電子書籍端末と違ってPCまたはMacを使用する場合他社製品であるリーダー・ソフトウェアをインストールしなければならない。電子書店はしばしば複数の異なる形式の電子本を売る。Windowsでしか動かないソフトウェアもあるし、特定のバージョンの .NET Framework が必須なソフトウェアもある。仮に電子書籍の書店が提供するアプリケーションが1種類であるならiPadとiPhoneのユーザはこの混乱を免れる。もちろんそれぞれの書店にはそれぞれ別のアプリケーションが必要であり、ひとつの書店は2種類のアプリケーションを提供する。ひとつは漫画用、もうひとつは通常の本のためのアプリケーションである。

日本の電子書籍市場を本格的な流れにするにはどんなpushが必要だろうか? 書籍を売る者が電子書籍体験をことごとく単純にし、新刊も過去の作品も含まれる幅広いコンテンツを提供するようにpushすればいいのだ。間違ったタイプのハードディスクプレーヤーと同じような結果になってしまうのではないかと思わせないぐらいこの市場がじゅうぶんに成熟していていることを広範な消費者に理解させるには、電子書籍を売る者は消費者の信用を得ていなければならない。課金の仕組みも極めて重要だ。電子書籍の消費者になるであろう人たちのクレジットカード情報を既に持っている販売者は非常に有利である。

このようにpushできる可能性がある企業は6社ある。そのうちの3社はソニーと楽天と Yahoo! JAPAN だ。ソニーはかつての輝きを失ったが、日本国内では強力な企業であり、信頼あるブランドである。ソニーは競争力がある電子書籍端末をつくる力があるし、ユーザの読書体験を簡潔にまとめる力がある。楽天は日本最大のオンライン・ショッピング・モールだ。ここには30,000の店舗と実際に買い物する800万の顧客がいる。最後に Yahoo! JAPAN についてだが、この企業は同一の名を持つアメリカの企業よりもはるかに巨大である。この企業はオークションと検索で他を圧倒する。eBayとGoogleと Yahoo.com が組み合わさったのが Yahoo! JAPAN であると考えればよい。

今年6月13日ソニーと楽天は4社からなるグループを代表して、彼らのサービスと端末で相互運用ができるよう検討していく、と発表した。残りの2社はパナソニックと紀伊国屋である。紀伊国屋はリアルの店舗とオンラインの店舗を持つ書店だ。4社はbooklistaのインフラを利用して相互運用を促進していく予定である。booklistaは2010年に発足、電子書店用のインフラを提供し、既に SONY Reader と biblio Leaf 向けに電子書店を運営している。booklistaはソニーとKDDIと凸版印刷と朝日新聞社の合弁会社である。

6月13日の発表は日本の読者にとってより良い読書体験への希望になる。しかし電子書籍の主流につながる動きを先導するpushではない。ソニーと楽天が本当に日本の市場をpushしたいのなら発表内容とは正反対のことをやるべきだ。すなわち彼らがなすべきは業界の伝統と競合者の動向にこだわることなく他を圧倒して電子書籍を売ることであり、そこに集中すべきである。他社との相互運用なるものはいかなる位相においても管理と技術的資源の流用に言及しようとしない点で妥協につながる。

3番目にとりあげたいのが Yahoo! JAPAN だ。しかし Yahoo! JAPAN は電子書籍市場に参加する意思を全く見せていない。となるとpushできる能力があるのは残り3つの外国企業だ。そう、予想どおりAppleとAmazonとGoogleである。

Googleは今のところ日本で電子書籍に関しては存在感がない。iOSとAndroid向けの Google eBooks アプリケーションは日本では使えないからだ。日本の企業がGoogleと共に新しいことを始めるのは難しい。Google検索は日本でも多くの人に支持されている。だがGoogleは日本の企業との関係において課金の仕組みをつくりあげていない。AppleやAmazonと肩を並べるのを想像するのは困難だ。

AppleにしてもAmazonにしても電子書籍の販売を日本向けにローカライズしていない。しかしいずれも支払いの仕組みはiTunesと amazon.co.jp を通じて確立している。

Amazonの顧客はKindleを日本に発送してもらうことが可能だ。そしてアメリカのWebサイトで本を買える。日本では買えない本もあるが、それ以外はごく普通に英語の本をKindleで体験できる。AmazonはKindleで日本語コンテンツの販売を認めていない。Amazonはいかなるコンテンツであっても日本の出版社と契約するとは発表していない。もしもAmazonが日本語の本を買えるKindleまたはタブレットを売り出し、必要なコンテンツの契約を実施できるなら、同社はアメリカでの成功を日本でも再現する立場を確保するだろう。

Appleは既に日本語コンテンツをサポートするとしているが、日本語テキストの扱いについて深刻な制限がある。とはいえ JAZZ JAPAN という出版社が既にiOS向けにバックナンバーをビデオつきで売っている。残念なことに、iBooksの JAZZ JAPAN の日本語フォントは長いテキストの一節にはあまり合っていない。そしてiBookstoreで雑誌 "JAZZ JAPAN" を買うことは現状では不可能なので読者はそれを JAZZ JAPAN のWebサイトで買い、手動でiTunesに加える必要がある。

Appleは日本語テキスト表示に対応した規格ePub3.0の開発に加わった。同社は日本語コンテンツを完全にサポートするバージョンのiBooksを出す予定である。今後Appleにとって未知の要素になるのは日本でiBookstoreを開始するスピードと日本の幅広い出版社と協議する際にかかる時間である。

AppleかAmazonか? 幸いなことにどちらか一方である必要はない。2012年上半期において両社は共に日本の電子書籍市場をpushし始めるだろうと私は期待している。

Waiting for a Push: the Japanese eBook market in 2011 by Robin Birtle | TeleRead: News and views on e-books, libraries, publishing and related topics

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女王エビと働きエビの生態

asahi.com(朝日新聞社):エビの世界にも「女王」いた 米の学者発見、働きエビも - 社会」を読んでこの不思議な真社会性テッポウエビのことをインターネットで調べた。

動画
YouTube - Social Shrimps

真社会性エビを写真で解説したPDF。
Social shrimp (Crustacea: Decapoda: Alpheidae: Synalpheus)

テッポウエビの絵

テッポウエビの写真

テッポウエビの写真

神戸賞を贈られるウィリアム・アンド・メアリー大学バージニア海洋科学研究所のエメット・ダフィーさん (Emmett Duffy) が2005年に書いた論文。
Coordinated group response to nest intruders in social shrimp

この論文を以下にざっとまとめた。

  • 真社会性テッポウエビは現在 Synalpheus regalis, Synalpheus "rathbunae A", Synalpheus brooksi, Synalpheus chacei, Synalpheus filidigitus の5種が確認されている。
  • Synalpheus の体長は5-10mm。熱帯の海綿の水管のみに棲息する。
  • コロニーの中に1匹ないし数匹の産卵可能な雌がいる。それ以外は彼女たちと血縁関係がある、生殖に関与しない個体であり、数十匹から数百匹いる。
  • 産卵可能な雌は他の個体よりもかなり大きな体をしている。
  • snapping shrimp (テッポウエビ) が鋏をすばやく閉める行為を "snapping" と呼ぶ。これによって強力な水流とパチンパチンという大きな音が発生し、接近した敵にこれが向けられる。
  • コロニーに侵入者が現れると歩哨エビが単独で鋏をパチンパチンと鳴らす。侵入者が退散しなければ歩哨はsnappingを継続してコロニー内の他の個体のsnappingを誘発する。これによってsnappingが集団で行われるようになる。侵入者が退散するまでこれが続く。
  • snappingは侵入者が現れたときだけ見られる行為ではなくふだんから見られる。しかし侵入者が現れたときのsnappingには特徴があり、その回数と持続時間がいつもよりも増え、コロニー内の個体によって一斉に行われる。
  • コロニーに侵入者がやって来ても社会性エビは集団でそれを襲うことはしない。組織的なsnappingの目的は「この海綿では既に共同体が防衛する準備を整えている」と侵入者に警告するであろうと思われる。
  • 組織的なsnappingの目的は、社会性エビが集団で侵入者を攻撃することではないし、コロニー内の他の個体に「隠れろ 」というメッセージを伝えることでもない。これは、組織的なsnappingが行われている間または後、女王も年少の個体も動かないことから証明できる。
  • 組織的なsnappingの目的は侵入者に対する警告であろうと思われる。それは、この現象が侵入者がコロニーに現れたときだけ起きること、そして歩哨エビのsnappingが侵入者撃退に失敗したときだけ組織的なsnappingが起きることから証明できる。

【重要】契約約款に違反する書き込みについて

引用する。

[xxxxxxxx] 【重要】契約約款に違反する書き込みについて

OCNインターネットセキュリティ担当

To: xxxxxxxx@example.com

○○ さま

平素はOCNサービスをご利用いただき、ありがとうございます。
OCNインターネットセキュリティ担当 ○○と申します。

この度、掲示板サイト「2ちゃんねる」の運営に支障を与える迷惑行為が行われたとの報告が担当者から寄せられたため下記の情報を確認しましたところ、お客さまのご契約の回線を通じて行われていたようでしたのでご連絡させていただきました。


掲示板担当者から寄せられた情報や行為の詳細については、文末(*1)に引用しておりますので、ご確認いただけますと幸いです。

なお、ご連絡の内容に覚えの無い、そのような掲示板を閲覧したことが無いなどの場合には、大変お手数ではございますがOCNインターネットセキュリティ担当までメール(abuse_support@example.co.jp)でその旨をお知らせください。

本メール(および郵送)のご連絡後、お客さまより5日以内にご返事が無い場合は、弊社からのご連絡内容について「承諾」されたものとして対応させていただきますので予めご了承ください。


もし、今回ご連絡の内容に覚えがありました場合には、弊社ではこのような行為につきましては「IP通信網サービス契約約款(*2)」にて禁止させていただいておりますので、以後、該当する行為は行わないようご留意いただき、OCNサービスをご活用いただけますようお願い申し上げます。

また、万が一、当該行為の再発が確認された場合には、より厳しい対処をさせていただくこともございますので予めご了承ください。

以上となります。
今後ともOCNサービスをよろしくお願い申し上げます。

(*1)掲示板サイト「2ちゃんねる」から寄せられた情報の添付


・書き込みが行われたスレッド(掲示板のURL)
○○○○○○○○○○○
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/xxxx/xxxxxxxxxx/
○○○○○○○○○○○
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/xxxx/xxxxxxxxxx/

・書き込みが行われた時刻
2011/xx/xx(金) xx:xx:xx ~ 2011/xx/xx(土) xx:xx:xx

・書き込みに使用された回線(お客さまのご契約の回線)
xxxxx-xxxx.xxxx.ocn.ne.jp [xx.xx.xx.xx]
xxxxx-xxxx.xxxx.ocn.ne.jp [xx.xx.xx.xx]
ほか多数

・書き込み内容の転記
>xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
>xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
>xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
>xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx

・書き込み内容の問題点(掲示板管理者による見解)
無意味な文字列の投稿による2ちゃんねるに対する迷惑行為。
このような行為は掲示板運営を妨げ、当掲示板のサーバや回線に無用な負荷を強いるものであり大変迷惑しております。


(*2)IP通信網サービス契約約款:http://www.ocn.ne.jp/info/service/stipu/


NTTコミュニケーションズ株式会社
OCNインターネットセキュリティ担当 / ○○
E-mail:abuse_support@example.co.jp

~インターネットをより安全に快適に~
OCNセキュリティ対策
http://www.ocn.ne.jp/security


全文および一部の無断転載、再配布、引用等を禁止します。
 Copyright (C) 1999-2011 NTT Communications

KindleGenで電子書籍をつくる

Kindle用電子書籍を自分でつくるには Mobipocket Creator, calibre, Online ebook converter などが便利だけど、細かい箇所までこだわりたければ KindleGen のほうがいい。手順は…

  1. 本文のHTMLをつくる。
  2. 目次 (Table of Contents) をつくる。
  3. 表紙の画像や挿し絵を用意する。
  4. すべてのファイルを管理するOPFをつくる。
  5. KindleGenにOPFを読み込ませてMobipocketを生成する。

ご覧のとおり作業工程の大半はEPUBと全く同じ。

本文のHTMLを書く

電子書籍の本文を書く。Kindleに表示されるMobipocketファイルで使えるHTMLとCSSには以下のような特徴がある。

  1. p要素などの文字の大きさは {font-size:larger;} のようなCSSで変更可能だがh1-6要素では全く不可能。h1要素とh2要素の大きさの違いは明確だがh5要素とh6要素はほとんど区別できない。
  2. ブロックレベル要素の先頭がインデントされてしまう。上下のマージンがほとんどない。美しくないと感じるなら任意のブロックレベル要素に {text-indent:0em; margin-top:0.6em;} のようなCSSを指定する必要がある。
  3. blockquote要素の中にp要素などのブロックレベル要素を入れるとインデントされない。
  4. margin-left, margin-top, margin-bottom の指定は有効だが margin-right の指定は無視される。
  5. mbp:pagebreak というMobipocket独自の空要素がある。意味は読んで字のごとし。

上記#3はひどいバグだ。どんなCSSを書いてもインデントされない。たとえば

<blockquote style="margin-left:3%;">
	<p>アンドレ・カンドレって誰ですか。</p>
	<p>井上陽水のことです。</p>
</blockquote>

と書いても無駄。ゆえに以下のような見苦しいソースを書いて対処するしかない。すなわちp要素のタグを削ればKindleが当該要素をインデントする。

<blockquote>アンドレ・カンドレって誰ですか。</blockquote>
<blockquote>井上陽水のことです。</blockquote>

以下はHTML文書の例。ファイル名は何でもいいけどここでは content.html とする。

<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Transitional//EN" "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-transitional.dtd">
<html lang="en-us" xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml">
<head>
<meta http-equiv="content-type" content="text/html; charset=utf-8" />
<meta http-equiv="content-style-type" content="text/css" />
<style type="text/css">
<!--
h1, h2, h3, h4, h5, h6, p, ul, ol, dl, pre, blockquote, table
{margin-top:0.6em; text-indent:0em;}
.font_size
{font-size:x-large;}
-->
</style>
</head>

<body>
<h1><a name="TOC">目次</a></h1>

<ul>
<li><a href="#chapter1">第1章 - 桃太郎誕生</a></li>
<li><a href="#chapter2">第2章 - 鬼が島の対決</a></li>
</ul>

<mbp:pagebreak />
<h1>桃太郎</h1>
<h2>昔の人</h2>

<mbp:pagebreak />
<h2><a name="chapter1">桃太郎誕生</a></h2>

<p><img src="momo1.jpg" /></p>

<p>昔、昔、ある村におじいさんとおばあさんが住んでいました。ある日のことです。おばあさんが川で洗濯していました。しばらくすると川に大きな桃が流れてきました。おばあさんはとても驚きました。</P>

<mbp:pagebreak />
<h2><a name="chapter2">鬼が島の対決</a></h2>

<p><img src="momo2.gif" /></p>

<p>桃太郎はキジ、犬、猿を家来にしました。桃太郎は家来を引き連れて船に乗って鬼が島に向かいました。その島には怖い鬼がたくさんいました。桃太郎と家来たちは鬼を退治するつもりです。</p>

<p>桃太郎は勝ちました。鬼は負けました。桃太郎と家来たちはおじいさんとおばあさんのところに帰りました。<span class="font_size">終わり</span></P>

</body></html>

目次をつくる

以下は目次の例。ファイル名は何でもいいけどここでは toc.ncx とする。拡張子 ".ncx" は "Navigation Control for XML" の略。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE ncx PUBLIC "-//NISO//DTD ncx 2005-1//EN" "http://www.daisy.org/z3986/2005/ncx-2005-1.dtd">

<ncx xmlns="http://www.daisy.org/z3986/2005/ncx/" version="2005-1">
	<docTitle><text>dummy</text></docTitle>
	<navMap>
		<navPoint id="navPoint1" playOrder="1">
			<navLabel><text>dummy</text></navLabel>
			<content src="content.html#TOC" />
		</navPoint>
		<navPoint id="navPoint2" playOrder="2">
			<navLabel><text>dummy</text></navLabel>
			<content src="content.html#chapter1" />
		</navPoint>
		<navPoint id="navPoint3" playOrder="3">
			<navLabel><text>dummy</text></navLabel>
			<content src="content.html#chapter2" />
		</navPoint>
	</navMap>
</ncx>

おおざっぱに言うと、

  • HTMLファイルの名前
  • 上記HTMLで記述されたa要素のhref属性で指定されたアンカー名

をここで指定すればいい。

ここではdocTitle要素、navLabel要素、text要素として "dummy" という文字列を記述した。この部分の適切な名前はHTMLファイルの目次部分に書けばいいので "dummy" でもいいという判断。これを書いておけばKindle上で 5-way controller を左右に動かして前の章や後ろの章にジャンプできる。

表紙の画像、挿し絵など

JPEGでもGIFでも何でもよい。ただしMobipocket生成時にすべてGIFに変換される。

OPFは本文と目次と画像を管理するファイル

以下はOPFの例。ファイル名は何でもいいけどここでは content.opf とする。

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<package xmlns="http://www.idpf.org/2007/opf" version="2.0">

<metadata>
	<dc-metadata xmlns:dc="http://purl.org/metadata/dublin_core" xmlns:oebpackage="http://openebook.org/namespaces/oeb-package/1.0/">
		<dc:Language>en-us</dc:Language>
		<dc:Title>桃太郎</dc:Title>
		<dc:Creator>昔の人</dc:Creator>
	</dc-metadata>
</metadata>

<manifest>
	<item id="toc" media-type="application/x-dtbncx+xml" href="toc.ncx" />
	<item id="cover-image" media-type="image/jpg" href="cover.jpg" />
	<item id="content" media-type="application/xhtml+xml" href="content.html" />
</manifest>

<spine toc="toc">
	<itemref idref="cover-image" />
	<itemref idref="content" />
</spine>

<guide>
	<reference type="toc" title="目次" href="content.html%23TOC />
</guide>

</package>

ご覧のとおり、OPFは <package> に始まり </package> に終わる。package要素は以下の要素から構成される。

  • metadata
    • dc-metadata
      • dc:Language
      • dc:Title
      • dc:Creator
  • manifest
    • item
  • spine
    • itemref
  • guide
    • referenece

簡単に説明しとく。

metadata
その名のとおりメタデータ。音楽のMP3タグみたいな役割を果たしているわけだが省略は絶対に許されない。
manifest
Mobipocketに収斂する各種ファイルの宣言。たとえば表紙の画像なら「これは表紙の画像ファイルである」と宣言する。それからアドレスも指定する。
spine
表紙、本文、目次などの順番を決める要素。目次の場所が本文の直前か直後かはここの記述で決まるようだ。spineには「書物の背」という意味があるとか。
guide
Kindle上で "Go to Table of Contents" を可能にするにはguide要素が必須。目次に関して場所などを指定。

KindleGen実行

content.html, 画像, toc.ncx, content.opf, さらに kindlegen.exe をすべて同じディレクトリに置き、content.opf をマウスでドラッグして kindlegen.exe にドロップする。文法エラーがなければ content.mobi という名前のMobipocketが生成されるはず。

参考文献

電子書籍化された無料で読める論文など

Webには電子書籍の形になっている論文があり、ありがたいことに無料で読めるものが多い。日本の電子書籍サイトでKindle形式のMobipocketを扱っているところはほとんどないので実感できないけど、欧米の電子書籍サイトがEPUBやPDFだけでなくMobipocketを扱うのは当たり前になりつつある。最近ではアメリカの大学や自治体の図書館がKindleで読める本の提供を始めている。数年後にはほとんどの電子書籍サイトでKindle形式の本を読めるようになっていると思う。もちろん日本は間違いなく取り残されるわけだが…

文学好きには Project Gutenberg が有名だけど、このエントリでは学術論文とかそれに準じる書籍のMobipocketを扱っているWebサイトを自分が知っている範囲でまとめた。ちなみにMobipocketを置いているサイトはまず間違いなくEPUBの形式のファイルも置いているのでKindle以外の端末でも読めるはずである。

まずは "CK12.ORG - FlexBooks". Kindle形式はここ。ここに置いてあるのは学校で使われる教科書。カリフォルニア州の学校で使われているらしいけど詳しいことは不明。高校生向けの教科書だと思う。具体的には生物学、地学、代数学などの教科書。以下は life science の教科書からの引用。

Kindleスクリーンショット

When scientists tested this idea, the answer turned out to be no. The researchers treated used cutting boards with different kinds of germs and then washed the boards. They found, much to their surprise, that gouged and sliced wooden cutting boards had far fewer germs than gouged and sliced plastic boards. The researchers discovered that germs that cause food poisoning, such as E. coli and Salmonella, are absorbed into the wood and seemed to vanish. On plastic, the germs sit on the surface in cuts in the plastic where they are difficult to clean out but can contaminate food. Furthermore, in a different study of food poisoning, people who used wooden cutting boards were less than half as likely to get sick as people using plastic ones.

科学者がこの考えを検証したところ、答えは「否」であることがわかった。実験ではいくつかの異なる細菌を付着させたまな板を扱い、プラスチック製と木製のまな板を洗った。驚いたことに包丁でえぐられた木製のほうが細菌が少なかった。大腸菌やサルモネラ菌のような細菌は木の中に吸収され、消えたと思われる。プラスチックのまな板では細菌は傷の中に潜み、洗い落とすことが難しく、食品を汚染しうる。さらに別の実験によれば、木製のまな板を使っている人が病気になる確率はプラスチック製を使っている人の半分以下であった。

CK12.ORG - CK-12 Life Science - Honors - Middle School

次は "McKinsey & Company - Publications". マッキンゼーといえば大前研一さんが在籍していた会社だっけ? ようするにここは経済関係の報告書や論文の宝庫。以下は「これからはアフリカの時代だぞ」という報告書。

Kindleスクリーンショット

Africa’s economic pulse has quickened, infusing the continent with a new commercial vibrancy. Real GDP rose 4.9 percent per year from 2000 through 2008, more than twice its pace in the 1980s and ’90s. Telecom, banking, and retail are flourishing. Construction is booming. Foreign investment is surging.To be sure, many of the 50-plus individual African economies face serious challenges, including poverty, disease, and high infant mortality. Yet Africa’s collective GDP, at $1.6 trillion in 2008, is now roughly equal to Brazil’s or Russia’s, and the continent is among the world’s most rapidly growing economic regions.

アフリカ経済の鼓動は急速に高まっている。この大陸では新しいビジネスが育ちつつある。2000年から2008年にかけて実質GDPは毎年4.9%上昇した。この数字は1980年代と90年代の2倍以上である。電気通信と銀行取引と小売の急成長、建設ラッシュ、外国からの投資の増加などなど。50カ国以上の国で貧困、疾病、幼児死亡率の高さなど深刻な課題があるのは事実である。しかしながらアフリカ全体のGDPは2008年時点で1兆6千万ドルに達しており、この数字はブラジルあるいはロシアのそれとほぼ等しい。この大陸は世界で最も急速に経済成長している地域である。

McKinsey & Company - Lions on the move: The progress and potential of African economies

次はスミソニアン博物館。Smithsonian Institution Libraries : Free Books : Free Texts : Download & Streaming : Internet Archive. 下のスクリーンショットは Herbert Friedmann の "The Natural History Background of Camouflage". 生物の擬態を扱った文献。文字化けが少しあるのが残念。

Kindleスクリーンショット

最後におまけで文学。高名な作家が集う Project Gutenberg ではなく :: Munseys : Over 20,000 rare and hard to find titles in 10 formats! というWebサイト。ご覧のとおり恋愛ものが多いみたい。著作権が切れた文学をWeb上で探すとき本の表紙がないと寂しい思いをする。ここは表紙が掲載されているので本の中身を想像しやすい。

Firefoxスクリーンショット

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