ArtSaltのサイドストーリー

音楽、フリーウェア、WEBサービス、食べものなどに関する日記。トラックバック、コメント歓迎。

ブロガーが減ると失敗談が減ってWEBがつまらなくなる

数年前までブログがブームだった。誰も彼もがブログを書いていた。きちんと統計を見たわけではないけど、おそらくブログ書きは減っていると思う。数年間ブログをやっている人たちであっても更新頻度が落ちていると思う。その結果としてGoogleやYahoo!などの検索結果ページには「正しい○○のやり方」のようなWEBページが優先的に掲載され、失敗談のようなブログのエントリーは検索結果の後ろのほうに掲載される傾向があるような気がする。最近漠然とそんな印象を持っている。失敗から学ぶこともあるのでこの傾向は必ずしも良いこととは思えない。


最近レザークラフトをやっている。レザーを材料にして文庫本カバーを作ったりKindleのケースを作ったり。レザクラの情報を得るには書籍をまじめに読むのがいいけど、いろんな人たちのいろんなやり方を知るにはWEBのほうがはるかに便利だ。で、気づいたんだけど、WEBに掲載されているレザクラ関係の情報は「正しい」やり方ばかりで「間違った」やり方を教えているものは非常に少ない。いや、間違った情報にたどり着くには数十回あるいは数百回クリックする必要がある、と言うべきか。もちろん検索エンジンの行動としてはこれは正しいことなんだけど、ときには間違った情報も欲しいんだよね。

「間違った情報」という言い方は良くないかな? 「失敗談」と言ったほうがいいかもしれない。レザクラに限らず手芸をやる人ならわかると思うけど、誰だって最初は失敗ばかりなんだわ。技術を向上させるにはなぜ失敗したかを分析して実践を繰り返すしかない。そして「こういう作業ではこういう失敗をすることが多い」という情報を世界中の人たちが共有すればそれは個々の人たちのためにもなる。

で、ブログがブームだった時代にはレザークラフトで失敗したという体験談をいろんな人たちが書いたと思うんだ、たぶん。ググればそういう失敗談を簡単に見つけ出せただろう。

だが今は違う。この手のハウツーものの情報に関してGoogleなどの検索エンジンはNAVERに代表される「まとめサイト」とか All About などの正しい情報を検索結果の前のほうに置き、無名のブロガーたちの記事を後ろのほうに置くようになっている。困ったことに、検索結果の上位に来るブログの記事は「レザークラフト」とか「手芸」などと名づけられたカテゴリーまたはタグに属する複数の記事の集まりであることが多い。ブログの地位が以前より下がっていることが原因かな? あるいは、長期間更新されずに放置されているので検索エンジン側が横着して個別のエントリではなくタグとかカテゴリーのような複数の記事のかたまりを掲載するようになったということだろうか?

でもこれはGoogleやYahoo!が悪いんじゃない。検索エンジンがブログの優先順位を下げている可能性もあるけど一番の原因はブログを書く人が減ったことだと思う。世界中で日々更新されるブログの記事の総数が減ればGoogleの検索結果ページからブログの姿が減るのも仕方ないことだ。

ところでNAVERなどが掲載しているのは原則として「正しい○○の方法」だけだ。まあ、当たり前だわな。間違った情報をばんばん流していたら誰も信用しなくなる。

星の数ほどいたであろう無名のブロガーたちは間違った情報も正しい情報もごちゃ混ぜにしてWEBに送り出してきた。多くの人たちが賛同してくれると思うけど、無名のオタクたちの間違った情報とか失敗談も役立つんだよね。なぜ失敗したかをきちんと分析すれば次の行動が正しくなる可能性が高くなるんだから。

失言と暴言は「バカ発見器」としてのTwitterとかFacebookに流れた。失敗談はどこに消えたんだろう。

FC2ブログを削除できない人がいるらしい

未確認情報だけど、FC2ブログでブログそのものを削除したにも関わらず実際には削除されていなかったという恐ろしい報告がある。もはや存在しないはずの管理者ページに入ることができるだけでなくアクセス解析でも旧ブログの生存が確認されているらしい。

この話が仮に本当ならやばい。この現象をTwitterとかFacebookに置き換えてみれば問題の深刻さがわかる。たとえばネット上のトラブルに巻き込まれて個々の記事だけでなくブログの存在そのものをきれいさっぱり消し去りたいような事例。削除したにも関わらずそのブログがまだWEBに残るのは非常に困るわけだ。

FC2のアカウントまで削除していると事態は一層悲惨になる。当該ブログが自分のものであることを証明するのが難しくなり、運営に削除依頼を出しても実際の削除まで時間がかかる可能性があるからだ。

以下は2ちゃんねるのスレッド「FC2 blog vol.83」から引用。

323 名前:Trackback(774) [sage] :2013/06/15(土) 02:17:54.31 ID:oSOLy5L2

アクセス解析に削除したはずのブログのアクセスが来てるから、リンククリックしたら復活してるんだけど、どういうことなんだ?
しかも4月に書いた分だけ限定で復活してる

324 名前:Trackback(774) [sage] :2013/06/15(土) 02:48:21.52 ID:0EsXAzFQ

不死鳥ブログにであったな
ついてるぞ

325 名前:Trackback(774) [sage] :2013/06/15(土) 03:16:42.16 ID:oSOLy5L2

しかもログインしたら管理ページも復活してたわ
こういうことあるんだね

でも他のブログに移転した後だからやめてほしいんだけど

326 名前:Trackback(774) [sage] :2013/06/15(土) 03:50:45.15 ID:PRdZrqe7

同じことがあった
ブログも消してIDまで削除したのにスパムメールがくるからログインしてみたらブログもフル装備で残ってたw

328 名前:Trackback(774) [sage] :2013/06/15(土) 08:04:48.54 ID:XbLw8kF9

>>323
先日、とある不具合が起こってバックアップを戻してもらったから
もしかすると俺のと一緒に復元されてしまったのかもしれない

ちなみにその不具合というのは

「複数ID(仮にA,Bとする)同時ログイン状態でブログAに新しい記事を書くと現在の最大記事NoをブログBから取得してしまう。
そのため、当該記事NoがブログAに存在した場合、既存の記事が削除されてしまう。」

というものだった
下書きがA,B両方で保存されてたり、かなりおかしなことになってた
気がついたきっかけは、まだ一度も公開してない記事にコメントが付いてたからw
(本文とコメントは別データで、記事Noで紐づいてるっぽい)

削除された記事は復元してもらえた

332 名前:Trackback(774) [sage] :2013/06/15(土) 17:08:55.18 ID:0pmPcJdp

>>325-326
なにそれ怖い
コピー(ミラー)サイト扱いでググル先生が低評価しそう
引越しする前に一応カノっといたほうがいいか

カイロの袋をレザーで作った

以前このブログでちょっとふれたZIPPOのハンディーウォーマー(ハクキンのカイロとほぼ同じ製品)。こいつの袋(ケース?)をレザーで作ってみた。

ZIPPO ハンディーウォーマー

ZIPPOハンディーウォーマーは本来上の写真にあるような厚手の布の袋に入れて使う。

ZIPPO ハンディーウォーマー

材料の革は数百円で売られていた端切れ。これはいろんなハギレの詰め合わせにたまたま入ってたものであり、こんな金ピカな色をした革なんて本当は欲しくなかった。文庫本カバーなどには使えない色だけどカイロの袋なら不自然ではない。

レザーの袋

実験してみると革だけでは保温が不十分でカイロが立ち消えしてしまうことがわかった。そこで革の袋の内側に布の袋を入れた。これならOKだ。

レザーの袋

革は非常に丈夫だ。革の袋に水を入れても水はこぼれ落ちない。それくらい革の防水性はかなり高い。カイロの発熱には酸素が不可欠だ。革でカイロを全面的に覆ってしまうと酸欠で立ち消えしないだろうか? そこが少し不安だったけど今のところ大丈夫。

レザーの袋

ちなみに私は冷え症なので今の時期(6月中旬)のカイロ全く平気です。

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QWERTYとレミントンとモールス信号の歴史

スミソニアン博物館で有名な Smithsonian Magazine の先月(2013年5月)の記事にQWERTY配列の歴史について面白いことが書かれていた。それによると、銃の製造で知られるレミントン社がQWERTYキーボードの普及に深く関わっていたという。もしもレミントンがタイプライターの生産に乗り出さなかったらキーボード配列の歴史も変わっていたかも。QWERTYとモールス信号の不思議な因縁の話も興味深い。

以下は "The Story Behind the QWERTY Keyboard | Design Decoded" の部分翻訳である。

1860年代のミルウォーキー。政治家であり印刷技師であり新聞屋でもあるクリストファー・レイザム・ショールズ (Christopher Latham Sholes) という名前のアマチュア発明家がいた。彼は自分のビジネスをもっと効率的にしようと様々な機械を作っていた。その中のひとつが初期のタイプライターだ。これは Samuel W. Soule, James Densmore, Carlos Glidden との共同開発であり1868年に特許を取得している。キーボードはピアノを模したものであり、28個のキーはアルファベット順に組み立てられた。ショールズたちはこの配列が最も効率的であると確信していた。どの文字がどこにあるか、誰もが素早くそれを見つけることができるからだ。キーを探して指があっちに行ったりこっちに来たりすることは減り、打鍵数が増える。何を変える必要があるだろうか? この時点ではQWERTYはまだその姿を現していない。

よく知られる説によれば、ショールズがキーボードのデザインを変えたのは機械構造的な弱点を克服するためである、とされる。(とはいえ当時のタイプライターは今日の中古店や蚤の市で見かける一番数が多いモデルとは少し違うのだが)。キーと文字プレートをつなぐタイプバー (type bar) は定期的に紙の下でハングした。近接した位置にあるキーを連続してタイプすると精密な機械はジャムる。よってショールズは配置のデザインを変えて "th" とか "he" のような最も頻繁に起きる文字の連続を分離した。この説によれば、QWERTYシステムは頻繁に連続する文字の組み合わせの距離を最大限にした、とされる。この説は簡単に反論できる。たとえば "er" は英語で4番目に多い組み合わせである。(訳者注:にも関わらずQWERTYでは "er" が隣り合っている)。

だが試作品のひとつは生産直前になってキーボードが変えられた。もしもこれがこのまま生産されていたらこの記事もQWERTYではなくQWE.TYキーボードに関するものになっただろう。

1873年までにはタイプライターは43個のキーが備わり、使用者の直感に反する配列になった。これは高価な機械を故障させないためである。形が先に決まって機能がそれに従ったのではない。先に機能があって形がそれに従ったのだ。このようにしてキーボードがタイピストに訓練を要求した。この年にショールズたちは銃のメーカーであるレミントンと生産に関して合意している。レミントンは設備が整った企業であり、精密機械を手がけており、かつ南北戦争後は民生部門に関心を示していた。

しかしながら "Sholes & Glidden" と名付けられたタイプライターの生産が始まる前にショールズは新たな特許を申請する。この特許にはキーボードの配列も含まれている。こうして1878年発行の U.S. Patent No. 207,559 はQWERTYレイアウトが登場する初めての文書になった。

レミントンとの取り引きは正解だった。レミントン製タイプライターは1890年までに全米で100,000台以上が使われた。1893年タイプライター生産の大手5社であるレミントン、Caligraph, Yost, Densmore, Smith-Premier が業界の組合 Union Typewriter Company を作ってQWERTYを事実上の標準として採用。キーボードの運命はこうして決まった。これが今日私たちが知っている愛すべきQWERTYキーボードである。

M&A以前のレミントンのビジネス戦術とQWERTY普及の関係をうかがわせる逸話がある。レミントンはタイプライターを作っただけではない。タイピスト養成講座もやっていた。もちろん安い料金で。訓練用のタイプライターを貸してくれるシステムで学んだタイピストはそのブランドに忠実になるだろう。ゆえにしっかりと訓練を受けたタイピストを雇いたい企業はレミントン製のタイプライターを導入しなくてはならなかった。このシステムは今日でも有効だ。iTunes, iTunes Store, iPod によって築かれたAppleの生態系に忠実な信者を見ればわかる。

引用と翻訳はここまで。

ところでQWERTYの歴史といえば安岡孝一氏の名前を無視するわけにはいかない。氏の論文がこの Smithsonian Magazine の記事でかなり正確かつ好意的に紹介されていた。

タイプライターのメカニクスがキーボードのデザインに影響を与えたのではない。モールス信号を文字に変換するときキーがアルファベット順に並んでいると非効率であると気づいたのは現場の電信オペレーターである。これがキー配列に影響を与えた…というのが安岡氏の意見の一部である。

Smithsonian Magazine の記事で紹介されていた安岡氏の見解をオイラなりに解釈して以下に箇条書きにしておく。

(モールス信号を擬似的にイメージとして表している部分について説明すると、スペース1個は普通の半角スペース1個を、3個連続スペースは nonbreaking space を3個並べて記述した)。

  • Z という文字をモールス信号で表すと "· · ·   ·" である。この信号は SE を表す "· · ·   ·" と同じで紛らわしい。SE の組み合わせは Z よりも使用頻度が高い。
  • モールス信号の受信者がこの "· · ·   ·" という信号を語の先頭として聞いたときこれが Z なのか SE なのか判断するには語の最後まで聞き取らないといけない。
  • こういう理由で語の最後を聞き取った瞬間に素早くタイプしやすいように E, S, Z は近い場所に置かれた。
  • モールス信号の受信者は送信者と同じ速度で信号を文字に変換する必要がある。仮にショールズが本当にタイプ速度を遅くするためにキーボードの配列を決定したらモールス信号受信者は送信者の速度に追いつかなかっただろう。ショールズがそんなナンセンスなことをしたとは到底信じられない。

革ジャンの革で文庫本カバーを作った

数年前バイクを運転しているときに転倒して穴が空いた革ジャン。これをずっと着続けてきたんだけど先日ついに諦めて処分することを決意した。でも捨てるのはもったいない。何かにリサイクルできないだろうか。最近オイラはレザークラフトの真似事をやっているので革ジャンの革を切断して文庫本カバーを作ることにした。

革ジャンから取った革

上の写真はレザーのジャンパーから切り取った革。

革ジャンから取った革とタコ糸

レザークラフトではナイロンまたは麻の糸を使うのが正しい。しかしオイラは綿のタコ糸が扱いやすくて好きだ。木綿のごつい感じもいい。しかし残念なことに大抵のタコ糸は白色のみ。紅茶とかタマネギでベージュ色に染めてもいいのだけど黒とベージュの組み合わせはちょっと地味だよね。そこで今回は鮮やかな青の絵の具で糸を染めた。水性の絵の具です。

革ジャンから取った革とタコ糸

ロウソクで糸をしごく。専門用語で「ロウ引き」と呼ぶ。

レザークラフトで使う針

タコ糸を通す針。

文庫本カバー

完成。

文庫本カバーと菱目打ち

レザークラフトには「菱目打ち」という道具が欠かせない。これで等間隔に穴を空ける。

長年着た革ジャンなので表面がだいぶはげている。靴墨を塗った。白いハゲた部分が黒くなったものの艶が若干失われた。きれいな青い糸に靴墨が付着して黒くなってしまった。うーん、これは失敗かな…

糸の始末(糸の端の部分の処理)が汚いのも不満だ。そこで思い切って縫い直した。今度は木綿のタコ糸ではなく刺繍で使う糸を使った。色はやはり鮮明な青。

文庫本カバー

おっ、けっこういいじゃん。

文庫本カバー

この出来栄えなら合格でしょ。

パッチワークをやる人なら知っていると思うけど、上の写真にある縫い方を「巻きかがり」と呼ぶ。レザークラフトでは糸ではなく革紐で「かがる」のが正しい。つまり刺繍用の糸でかがるのは邪道。でも細かいことは気にしない。見映えが大事だもんね。

私事ですがリサイクルした革ジャンは香港で買ったもので青春の思い出であり、非常に愛着があった。たぶん牛の革だと思う。文庫本カバーに生まれ変わった牛に感謝。

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