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接続詞たりうるthat、接続詞たりえないthis

これじゃあ、日本が英語後進国になるわけだ

smart.fmで見かけた日記。

問題:次の(4)~(11)の英文中の that の文法的な役割を、できるだけ詳細に説明しなさい。

色々なthatを識別し、説明せよ!(問題編) by mouthbird - user-tab-blog - smart.fm

この問題に対して数人のユーザが回答を寄せている。

4)I know that Mt. Fuji is the highest mountain in Japan.
品詞:接続詞
名詞節を導く接続詞。他動詞の後にthatを置き、その目的語をS+Vの形で説明している。このthatは省略可能。

(10) She heard the news that made her happy.
 品詞:関係代名詞(主格)
 that節は先行する the news を修飾する(形容詞節)。関係代名詞節の場合、that に後続する部分には主語・目的語・補語・前置詞の目的語のいずれが欠けているという、「名詞の穴」が開いた不完全文である(この場合、主語が欠けている)。同じ thatを用いた同格節・関係副詞節(where/when などの代用)と区別する手がかりにする。

おそらく本人たちは遊び感覚で問題を出し、遊び感覚で問題を解いているんだろうけど、こういう「パズルごっこ」が嫌いな子どもだっているだろう。英語をこんなふうに難しく考えれば、そりゃあ、アンタ、この国で英語嫌いの児童が増えるわけだわ。突撃(コメント)しようかと思ったけど、やめとこ。ここに書く。

that を分類して思考するネイティブなどいない

英文法をパズルゲームと勘違いしている人たちは「なぜ that は接続詞とか関係代名詞になりうるのか」「this が接続詞とか関係代名詞にならないのはなぜか」なんてことを一度も考えたことがないだろうと思われる。that の持つ優れた力は this との比較で見えてくるんだけどねぇ。

this は「手元にあるものに手を触れる」感覚。他方、that は「手元にないものを指し示し、手元にぐっと引っぱってくる」感覚。この感覚があったからこそ that は代名詞と形容詞にとどまらず接続詞にも関係代名詞にもなりえたんだよ。

接続詞の that その1

  1. I believe that the country's economy is undergoing a gradual decline because of variety of types of problems, especially the financial plans.
  2. I believe the country's economy is undergoing a gradual decline because of variety of types of problems, especially the financial plans.

#1と#2の文章はどう違うか。that を省略しない#1は丁寧な言い方? that を省略した#2は口語っぽい表現?

前述したように that には「手元にないものを指し示し、手元にぐっと引っぱってくる」力がある。that 以下の言葉を手元にぐいっと引っぱる感覚。#1は「下降曲線を描く経済の惨状」をぐいっとたぐり寄せている。

対照的に that を省略した#2はだらだらと言葉を並べている印象がある。動詞 believe の作用対象が何であるかが少しぼやけている。論旨を明確にしたけりゃ that を使うべし。逆に人を誉めたり罵るときなど感情のおもむくままにダーッとしゃべりたいときは that なんて、まどろっこしいものを挟まないほうがいい。

接続詞の that その2

My dad was so angry that I tried to look away from his face.
so の意味は "in this way"。日本語に翻訳すると、「そういうわけで」「こんなに」「このようにして」などなど。
「父がこんなふうに立腹していた」。そこから導かれる結論(なるべく目を合わさない)が that によって手元に引き寄せられる。

接続詞の that その3

Billy looked into the the literary journal so that he could pass the final exam.
so の意味は "in this way"。日本語に翻訳すると、「そういうわけで」「こんなに」「このようにして」などなど。
「学術誌を真剣に読む」。このようにして目的(期末試験合格)を果たす。目的をたぐり寄せているのは that

関係代名詞の that

He made a conscious effort to understand the words of the man that had been starving for many days in the rural area.
「手元にないものを指し示し、手元にたぐり寄せる」感覚はここにも息づいている。「男」の that 以下の状態(長期間の飢えに苦しんでいた状況)を手元に引っぱってくるわけだ。

指示形容詞の that

That movie made all of us cry.
「他でもない、あの映画」。手元にない映画を指し示し、会話の中にぐっと引き寄せる。

英語を母語とする人たちは that を代名詞なのか、形容詞なのか、接続詞なのか、関係代名詞なのか、などと意識してしゃべっているわけではない。上記の that はいずれも同じものとして彼らには見えている。thatthat なのだ。離れたところにあるものを手元にぐっと引き寄せる — これが that の機能であり、古来からの感覚。

that に潜んでいるこの感覚がわかれば、英語史においてイギリス人たちが this を接続詞にも関係代名詞にも転用しなかった理由が明確になる。that とは違って、this には「手元にないものを指し示し、手元にぐっと引っぱってくる」力が欠けているんだよね。西暦3000年ごろになっても this が関係代名詞になっていることはないだろう、とオイラは予想する。

結論

  • that の感覚は「手元にないものを指し示し、それを手元にぐいっと持ってくる」感覚。この原初的な力強い感覚が that を代名詞、形容詞以外のものに転化せしめた。
  • this にはそういう感覚がなかった。だから代名詞、形容詞以外のものに化けなかった。
  • that を指示代名詞、指示形容詞、接続詞、関係代名詞などと分類する必要は全くない。that の感覚はどのような文章でも変わらないからだ。
  • 「that節」だの、「先行詞」だの、そんな専門用語を覚える暇があったら英単語の1個でも暗記したほうがよい。
  • ただし将来の職業として言語学者とか英語教師になりたい人たちはこういう分類を覚えたほうがいいかも。
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おはようございま~す!
thatの使われ方説明に感銘受けて書き込んでます。

塾で中学生に英語教えてますが、彼らの多くは「文法用語が出てくるとアウト~~~」です。問題演習させる前に文法用語の解説をしてます(@_@;)
これから関係代名詞のとこ授業するんだけど、ぞ~~っとします。。。

語感で覚える方法はいいですね!!!
2010/10/23(土) 06:06:59 | URL | しば #nG31PqpM[edit]
ご無沙汰しております。語感で覚えるだけじゃダメだと思いますが、やはりときには必要ですよね。コメントありがとうございます。
2010/10/23(土) 10:13:24 | URL | ArtSalt(管理人) #-[edit]
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