ArtSaltのサイドストーリー

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直説法と仮定法を区別したがる男の人って…

should + have + PP の形には2つの意味がある

先日たまたま読んだ英語の文法に関する説明。法助動詞と完了形の組み合わせ。

We can also use 'should have' to speculate about events that may or may not have happened.
"should have" は起こりえた出来事や起こりえなかった出来事を推測するのに使われることがあります。

  • She should have got the letter this morning. I expect she'll give us a call about it later.
    今朝彼女は手紙を受け取ったんじゃないかな。あとで私たちに電話してくると思う。
  • He should have arrived at his office by now. Let's try ringing him.
    今ごろ会社に着いてるはずだよ。電話してみようよ。
  • They should have all read that first email by this stage. It's time to send the next one.
    既に全員メールを読んだはず。2回目のメールを送るべ。
English Grammar Lessons

日本で見られるほとんどの文法書、辞書は should have PP の形を「○○すべきだった(実際にはやらなかった)」と解釈しているようだ。つまり仮定法。しかし上に引用したように、仮定法とは解釈できない事例がある。こういう解釈があることには以前からなんとなく気づいていたけど、英語ネイティブの人に言われて勇気がわいた。ここで包括的に自分の考えを書いてみようと思った。

つまりこういうことだ。should have PP には、

  • ○○すべきだった(実際には○○しなかった)
  • ○○したに違いない

…という全く異なる2種類の解釈がある。なぜか? なぜ2つも意味があるのか?

法助動詞の過去形 + have + PP の形のまとめ

They could have looked over the journal.

  • can, could —「学会誌に目を通す」という潜在的可能性への言及。
  • 学会誌に目を通すことができた。(実際には目を通さなかったことを暗示)
  • 仮定法と解釈するのが普通。

They might have looked over the journal.

  • may, might —「学会誌に目を通す」という他の選択肢への言及。
  • 学会誌に目を通したかもしれない。(実際には目を通さなかったことを暗示)
  • 仮定法と解釈するのが普通。

They would have looked over the journal.

  • will, would は意思。すなわち予測。
  • 学会誌に目を通しただろう。(実際には目を通さなかったことを暗示)
  • 仮定法と解釈するのが普通。

They must have looked over the journal.

  • must は強い意思。すなわち確信。
  • かつて2通りの解釈があったと思われる。現代英語では後者の意味(仮定法)はほとんど消失している。
    • 学会誌に目を通したに違いない。
    • 学会誌に目を通すべきだった。(実際には目を通さなかったことを暗示)
  • かつて motan という助動詞があった。過去形は must である。motan という原形は現代英語から消滅し、過去形の must だけが残った。つまり "They must ..." という形は厳密に言えば仮定法なのだ。しかし「mustmotan の過去形である」と意識している英語ネイティブは今やほとんどいないだろう。ゆえに直説法と見るのが普通。

They should have looked over the journal.

  • shall, should は非常に強い意思。すなわち強い確信であり、命令と言ってもよい。
  • 2通りの解釈が可能。前者は直説法、後者は仮定法。
    • 学会誌に目を通したに違いない。
    • 学会誌に目を通すべきだった。(実際には目を通さなかったことを暗示)
  • should は現代英語から消滅しつつある助動詞 shall の過去形である。ゆえにこの形を仮定法ととらえることも可能だが、「shouldshall の過去形である」という認識が薄れつつあるので直説法と解釈することもできる。

仮定法は英語の駄目な部分であり、情感あふれる言葉使いでもある

法助動詞の過去形から過去形の感覚が失われる傾向は must, should に限らず could, might にもある。たとえば "He could swim." が「過去において泳げた」を意味するのか、「現在、過去、未来を問わず通時的に泳げるのだが、実際には泳がない」を意味するのかは文脈で判断するしかない。言うまでもなく前者は直説法の、後者は仮定法の解釈である。

仮定法なのか直説法なのか、なんてあまり気にしないほうがいい。「さあ、これから直説法の could を使ってしゃべるぞ」なんて考えて話す英語ネイティブなどいるわけがない。

ひとつ言っておくと、英語の動詞または助動詞を過去形にすると「距離感」が生まれる。英語で考えるネイティブの人たちは動詞または助動詞の過去形を使った表現にある種の距離感を感じるのだ。距離感とは何かというと、現在からの距離感(直説法の過去時制)、現実との距離感(仮定法)、現場との距離感(婉曲)のことだ。この感覚を確実に体感できれば「これは仮定法、これは直説法」なんて意識する必要はなくなる。

しばしば「英語は論理的な言語である」と言われるが、オイラは全くそう思わない。個人的な意見を言わせてもらうと、仮定法は英語の文法の中で最も非論理的な部分だと思う。と同時に最も情感あふれる言葉使いでもある。他の形では表しえない感覚ゆえに、たとえ非論理的であっても100年後も1,000年後も消滅することなく生き続けると思われる。

must の祖先はこれまで何度も過去形を生み出し、死滅している

話は少しずれるけど、must の原形とされる motan もかつては「なんとか」っていう助動詞の過去形であったらしい。つまり must の祖先はこれまで、

  1. 原形から過去形が派生する
  2. 直截性(?)が嫌われて原形が消滅する
  3. 過去形が原形に昇格する
  4. 原形から過去形が派生する
  5. 直截性(?)が嫌われて原形が消滅する
  6. (以下省略)

…ということを繰り返してきた。これからもそうだろう。

100年後には must から新たに過去形が派生しているんじゃないかな、mould とか。その時点で must は死語になっているはず。歴史は繰り返すのだ。

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http://www.eigo21.com/01/situmon/50.htm
2011/07/20(水) 19:48:16 | URL | tomoko #-[edit]
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