ArtSaltのサイドストーリー

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Wikipediaへのコピペはどこまで許される?

Wikipediaをコピーし改変してレポートに貼りつける学生の不正行為がときどき話題になる。しかしここでとりあげるのはそれとは正反対。つまりWebサイトに書かれていることを改変してWikipediaに転載していると思われる事例。最低限の義務として出典を示すべきだと思うんだけどそれをやっていない。

仮にこれを著作権侵害と呼べるとするなら著作権を侵害された被害者は金岡新さん(本名は浅野典夫)。以下は彼が書いた「世界史講義録」内の「フランス革命1」「フランス革命2」とWikipediaの比較。
(Wikipediaの記述は2010年08月31日の時点のもの)

フランス革命1フランス革命2 @ 世界史講義録フランス革命 - Wikipedia

 一方でアンシャン=レジームに対する批判も高まってきます。
 その一つが、啓蒙思想の流行です。啓蒙思想というのは、理性の力によって迷信や偏見を打破して、社会不正を改革しようとする合理主義的思想です。

 啓蒙思想家で一番有名なのがヴォルテール(1694~1778)。もともとは詩人ですが、フランスの政治体制や社会不正を徹底的に告発して有名になる。貴族にもかれの支持者がいるというところが面白いところで、ポンパドゥール夫人は、フランスの政治を批判して、亡命していたヴォルテールがヴェルサイユ宮殿に出入りできるように取りなしていたりする。プロイセンのフリードリヒ2世が、ヴォルテールのファンで、ベルリンに招いたこともあった。
 『社会契約論』の著者で人民主権を唱えたルソー(1712~78)も、同時代の啓蒙思想家の一人です。これら啓蒙思想家264人が集まってつくった百科事典が『百科全書』です。
 『百科全書』の編集責任者がディドロ、ダランベール。『百科全書』の出版は当然、政府当局の妨害をうけるのですが、政府の役人のなかにも、こっそりかれらの出版を援助する者もいる。実際に刊行されると、ポンパドゥール夫人の机の上にのる、というわけです。
 貴族も啓蒙思想に時代の流れを感じていたということでしょう。

 また、アメリカ独立宣言も、アンシャン=レジーム批判に大きな影響をあたえた。

一方でアンシャン・レジームに対する批判も、ヴォルテールやルソーといった啓蒙思想家を中心に高まっていた。自由と平等を謳ったアメリカ独立宣言もアンシャン・レジーム批判に大きな影響を与えた。

 ルイ16世の時代、国家財政の赤字増大が大きな問題になっていました。
 国家財政の収入が5億リーブル、支出が6億2千リーブル、財政赤字は45億リーブルになっていた。収入の9倍の赤字をかかえていたわけです。

 赤字がふくらんだ原因は何か。
 まず、ルイ14世時代以来の対外戦争の出費。これをルイ16世の時まで引きずっていたのですね。
 それから、アメリカ独立戦争を援助したことも、赤字を増やしました。イギリスに打撃をあたえるためにアメリカの独立に手を貸したのはよいけれど、その結果領土が増えたわけでもなく、何の見返りもなかったわけです。

 さらに、宮廷の浪費。マリー=アントワネットの浪費は国民の反感をまねいていましたが、国王だってすごい。たとえば、ルイ16世が所有している馬車は217台。馬が1500頭。馬の世話というのは、ものすごく大変です。1500頭の馬を飼っているということは、飼育係もそれ相応の人数が必要ということです。狩猟のための猟犬が1万頭。宮殿で使うローソク代だけで数万ルーブルかかったという。
 無駄な出費とわかっていても、国王となると体面もありますから、簡単にやめることもできないのです。

 このままでは、国家財政の破綻は目に見えている。ルイ16世は財政改革をおこなう決意をします。財政改革をおこなわせるために、財務長官に任命されたのがテュルゴー。
 財政改革をおこなうためには、貴族階級の特権を制限せざるをえない。当然、貴族たちは財政改革に反対して、テュルゴーは十分な仕事ができないまま、財務長官をやめさせられた。
 そのあと、財務長官に任命されるのが銀行家出身のネッケルです。

1780年代、フランスでは45億リーブルにもおよぶ財政赤字が大きな問題になっていた。赤字が膨らんだ主な原因は、ルイ14世時代以来の対外戦争の出費、アメリカ独立戦争への援助、宮廷の浪費である。当時の国家財政の歳入は5億リーブルであり、歳入の9倍の赤字を抱えていた事になる。そこで当時の国王ルイ16世はテュルゴーを財務長官に任命し、財政改革を行おうとした。第三身分からはすでにこれ以上増税しようがないほどの税を徴収していたので、テュルゴーは聖職層と貴族階級の特権を制限して財政改革を行おうとした。しかし貴族達は猛反発し、テュルゴーは十分な改革を行えないまま財務長官を辞任する。

ルイ16世は次にネッケルを財務長官に任命した。

 プロイセン軍がパリにせまってくると、政府は「祖国の危機」を全土に訴える。このままでは、革命はつぶされる、フランス国民よ、祖国を守れ、革命を守れ、というわけです。この訴えにこたえて、フランス全土で義勇兵が組織されて、パリに結集した。このとき、マルセイユからやって来た義勇兵が歌っていた歌が「ラ=マルセイエーズ」。のちにフランス国歌となる。

 せまる外国軍、集まる義勇兵。緊張が高まるなかで、敵は外にいるだけか、これだけフランス軍が負けつづけるのは、フランスの内側にも敵がいるからではないか、と誰もが思いはじめた。そういう疑惑は以前からあったのですが、緊張感のなかで、生活難に苦しむ貧しい市民たちの、そういう想いが爆発します。

 1792年8月10日、パリ市民と義勇兵は、王宮を攻撃した。フランスの本当の敵は王に違いないと考えたのです。国王は王権を停止されて、一家は全員タンプル塔に幽閉されてしまった。
 これを8月10日事件という。

プロイセン軍が国境を越えてフランス領内に侵入すると政府は祖国の危機を全土に訴え、それに応じてフランス各地で組織された義勇兵達がパリに集結した。このときマルセイユの義勇兵が歌っていた歌『ラ・マルセイエーズ』は後のフランス国歌となった。パリ市民と義勇兵は、フランス軍が負ける原因はルイ16世とマリー・アントワネットが敵と内通しているからだと考え、8月10日にテュイルリー宮殿を攻撃し、王権を停止して国王一家を全員タンプル塔に幽閉した(8月10日事件)。

他にもあるけどキリがないのでこれだけにとどめておく。

似ているのは細かな言葉遣いだけではない。論理展開が笑ってしまうぐらい酷似している。事実関係の記述の順序は全く同じと言ってよい。

誤解のないよういちおう言っておくと、Wikipedia「フランス革命」の記述すべてが金岡さんの「世界史講義録」とそっくりであるわけではない。あくまでも部分的にそっくりなのだ。さらに言えばこれを「著作権の侵害」と呼んでいいかどうかはわからない。でもこれが音楽の世界だったら小林亜星さんが怒って記者会見やるだろうね。

以下は考えられる可能性。推理。

  1. 何らかのオリジナルの文献があり、金岡新さんとWikipedia執筆者はいずれもそれを参考にした。そのため結果的に両者の文章が似てしまった?
    Wikipediaには参考文献としてジョルジュ・ルフェーブル著「1789年 - フランス革命序論」(岩波文庫)と平野千果子著「フランス植民地主義の歴史 - 奴隷制廃止から植民地帝国の崩壊まで」(人文書院)があげられている。このふたつの本を読んだが、コピペされた形跡はないと断言できる。
  2. 金岡さんがWikipediaを参考にして「世界史講義録」を書いた?
    両者の記述を比較した上記テーブルを見ればどちらが先に書かれたのかは一目瞭然だと思う。ちなみに金岡さんは名古屋大学文学部史学科を卒業し、同大学院修士課程を修了し、大阪府立高校で社会科教諭をやっており、さらに筑摩書房から「ものがたり宗教史」という本を出している。そういう人だ。
  3. Wikipediaの「フランス革命」執筆者のうちの誰かが出典を明らかにしないまま金岡さんの「世界史講義録」を改変して記述した?
    やはりこれが真相ではなかろうか。

何かの文献を参考にしてWikipediaを編集するなら出典を明記するのが常識だとオイラは思い込んでいたんだけど違うのかな? 仮にそうなら心当たりがある人は引用文献または参考文献として金岡新さんの「世界史講義録」の名をWikipediaに記載すべきだと思う。今からでも遅くはないよ。そして改変は絶対やるべきではない。

関連

文献の引用に関するWikipediaの見解。

(同一性)原則として被引用文を改変しないこと

被引用文は、原則として一切の改変をしてはいけません。著作物の改変は、同一性保持権(著作権法20条1項)を侵害するおそれがあり、引用する場合も同様(著作権法50条)であるためです。そもそも、被引用著作物が信頼できる情報源であると判断して引用するのですから、改変する必要はないはずです。
たとえば、句読点・改行・送り仮名などの変更も認められません。

Wikipedia:引用のガイドライン - Wikipedia

(出所表示)被引用文の出所を明示していること

被引用文の出所明示は著作権法上の義務でもありますが(著作権法19条1項、48条1項1号)、出典を明記し、検証可能性を確保するというウィキペディアの執筆方針上も必要です。

Wikipedia:引用のガイドライン - Wikipedia

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