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遺伝子特許は今後認定されなくなる

最初に読んだのはasahi.com。誰もがこれを読んで仰天したのではなかろうか。
asahi.com(朝日新聞社):米政府、遺伝子の特許認定せず 研究加速へ政策転換か - サイエンス

朝日の記事はあまりにも短すぎて不明な点が多いのでNYTの記事を引用する。

良くも悪くもこれによってバイオ業界に重大な影響が生じるだろう。念のために言っておくと、遺伝子関係のすべての特許が認定されなくなるというわけではない。誤解を招かないよう全文翻訳した。例によって例の如く誤訳ご容赦。

連邦政府「遺伝子特許を今後認定せず」

ANDREW POLLACK
Published: October 29, 2010

連邦政府は金曜日(2010年10月29日)ヒトを含むすべての遺伝子は自然の一部であるとしてその特許を認めないとする声明を出した。これは長年の政策の変更である。医薬品とバイオの業界にとってはとてつもない衝撃になりそうだ。

この新しい方針は二人の乳癌と子宮癌のヒト遺伝子に関連する事件で司法省が金曜日に提出した意見陳述書の中で宣言されている。

「今回の結論が特許商標局の長年の慣例に反するだけでなく、単離されたDNAのために特許を出願し獲得してきた国立衛生研究所とその他の関係部署の慣例に反していることは承知している」と陳述書では述べている。

複数の省庁の議論の結果だと思われる今回の陳述書で示された方針が特許商標局によって執行されるかどうかは不明である。

仮にこの方針が本当に実行されればこれに反対するバイオテクノロジーの会社が現れるとみられる。特許は診断検査と薬物と今後発展が期待されている個々の患者の遺伝子に応じて調合された薬品の開発に不可欠だからだ。

「長年誰もが関与してきた問題に関する政策を合衆国が文書の中で変えるのは重大なことだ」。複数のバイオテクノロジー会社で代理人を務める Edward Reines はそう語る。

遺伝子特許の問題は議論を呼んできた。この特許に反対する人たちは「遺伝子は自然の産物であり、発明とは言えず、人類共通の財産とすべきである。基本的な遺伝情報の独占は医療の進歩を妨げる」と言う。特許に賛成する人たちは「生物体から単離された遺伝子は生物体に備わっているものとは異なる化学物質である。ゆえに特許として有効である」と言う。

賛成者の側に立ってきた特許商標局はさまざまな有機体から得られる遺伝子に対して膨大な数の特許を交付してきた。そのうちのおよそ20%がヒト遺伝子の特許である。

しかしながら連邦政府は、遺伝子の変更や操作がない遺伝子の単離は自然状態の変更とは言えない、と陳述書の中で述べている。

陳述書はさらにこう続ける。「自然なヒト遺伝子の化学構造は自然の産物である。ワタの種子から分離された木綿繊維や地中から採掘された石炭と同様に、自然環境から単離されたものである限りそれは自然の産物なのだ」。

しかしながらバイオテクノロジー業界に与える今回の変更の影響について政府は「限定的になるだろう」と見ている。遺伝子組み換え作物や遺伝子治療をつくり出す方法と同様に、人の手による遺伝子操作は依然として特許の対象だからだ。ノースカロライナ大学で遺伝と化学を教え、政府の特別調査委員会を率いる James P. Evans 博士は今回の陳述書を「画期的なことであり、線引きのようなもの」と呼ぶ。

彼は言う。遺伝子特許は長年認められてきたにもかかわらず法廷でその有効性が検証されることはなかった、と。

変化が訪れたのは米国自由人権協会と公共特許財団 (Public Patent Foundation) がさまざまな医療研究員やグループを組織して Myriad Genetics 社とユタ大学調査研究所の保有する特許に対して異議申し立ての提訴をおこなったときである。その特許は BRCA1, BRCA2 という二つの遺伝子に関するものであった。Myriad Genetics 社は$3,000以上の費用をかけてこの遺伝子を分析した。乳癌または子宮癌に感染させる突然変異を女性が保有するかどうかがわかるというものだ。

この3月驚くべき判決が出た。マンハッタン地裁の Robert W. Sweet 裁判官は遺伝子特許を無効と裁定した。遺伝子は遺伝情報にとって欠かせないものであり、ゆえに単離された遺伝子は生物体に備わる遺伝子と何ら変わるものではない、と。政府は今回の判決が政策の見直しにつながると言明した。

この判決に対して Myriad Genetics 社とユタ大学は声明を出している。曰く、「国家経済と医療科学と公衆衛生に重大な結果をもたらす」。司法省はどちら側にも立たない意見陳述書を提出した。政府は単離されたDNAの問題に関しては原告側に立ち、DNA操作の特許の有効性に関しては逆に Myriad Genetics 社側に立っている。

金曜日に出された政府の意見陳述書について現時点では Myriad Genetics 社も原告側もコメントを出していない。

Myriad 社の訴訟では中心的な働きをしてない、法律事務所 Weil Gotshal & Manges の Edward Reines 氏はこう語る。「特許局は今回の決定に反対するだろうけど省庁の指示には従うだろうね。なぜかって? 陳述書には特許局の弁護士の名が全くないからさ」。

U.S. Says Genes Should Not Be Eligible for Patenting - NYTimes.com
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