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河野太郎が指摘する原発政策の暗部

以下はWikiLeaksによって明らかにされたアメリカ大使の公電であり、衆議院議員・河野太郎氏の発言をアメリカ本国に伝える内容である。日付は "2008-10-27 "。分類は "confidential" (機密)。翻訳したのは私であり、不明な部分は原文の英語のままにしておいた。文中の「政府」は当時の自民党政府であり、この公電を書いたのは在日本アメリカ合衆国大使であるジョン・トーマス・シーファー氏 (Tom Schieffer) である点に注意。

概略

衆院議員・河野太郎が日本を訪問中の staffdel, Energy Attache and Economic Officer との10月21日のディナーにおいて、コストと安全性と安全保障の面から日本の原子力産業とりわけ核の再処理に対して反対の意思を強い調子で表明した。彼はさらに、時代遅れのエネルギー戦略を続けている、代替エネルギーの開発を邪魔している、議会と国民から情報を隠している、として日本の官僚と電力会社を非難した。また選挙法に不満であるとも述べた。

詳細

衆院議員・河野太郎は a visiting staffdel, Energy Attache and Economic Officer とのディナーにおいて原子力エネルギーと原子力燃料の再処理について幅広く論じた。河野は自由民主党の党員であり、1996年に初当選した。自民党の元総裁であり、戦後の衆議院で最も任期が長い衆議院議長でもある河野洋平の息子である。この会合の中で河野太郎は、コストと安全性と安全保障の面から日本の原子力産業とりわけ核燃料再処理に反対の意思を強い調子で表明した。河野はアメリカ合衆国で学び働いた経験があり、優れた英語を話す。frequent embassy contact であり、農業と原子力と外交政策に関心がある。比較的若く、率直にものを言う。特に政府の原子力政策に批判的である。この会合の中で彼は、コストと安全性と安全保障の面から日本の原子力産業とりわけ核燃料の再処理に強く反対の意思を示した。河野は、日本の電力会社は再処理を「ウランの再利用」と世論に説明することに成功しながら核エネルギーに関するコストと安全性の問題を隠している、と指摘した。彼は、日本の再処理計画は高速増殖炉で再処理された燃料を使うよう計画された核サイクルの一環として始まった、と断言した。しかしこれらの原子炉の配備は成功していない。日本の高速増殖炉の原型である「もんじゅ」は1995年の事故以来停止したままである。

河野によれば、高速増殖炉もんじゅの事故以後電力会社は再処理計画をとりやめにするのではなくMOX燃料(ウラニウムとプルトニウムの混合酸化物燃料)計画を開発した。河野は、MOX計画は高額であり、オーストラリアのウランを買収、もしくは他から輸入したほうが安上がりである、と指摘した。さらに、再処理計画の高いコストは日本の消費者の電気料金に転嫁されており、彼らは他国に比べてどれだけ高額の料金を支払っているのか知らないのだ、と主張した。電力会社の影響力について河野はこんな話をした — 某テレビ局が原子力の問題で彼にインタビューしてそれを3部構成にした、しかし初回分が放映されただけで2回目以後は打ち切りになった、複数の電力会社がその番組のスポンサーを降りると脅しをかけたからだ、と。

河野の批判の矛先は電力会社だけではなく日本の省庁とりわけ経済産業省にも向けられている。彼によれば、省庁は彼ら自身の政策にとらわれており、官僚は上級官僚の政策を引き継ぐがそれに異議申し立てすることができない。そのひとつの例として河野が上げるのは、輸入食品に対する日本の放射線基準値がチェルノブイリ事故直後に決まったものであり、他の国が許容される放射線量の値を減らしているのにかかわらず日本のそれがずっと変更されていない点である。

同様に、経済産業省は河野が指摘している問題があるにもかかわらず原子力エネルギー開発を提言している、代替エネルギーを支援すると言いながら実際にはほとんど支援してない、と河野は言う。さらに、経済産業省は過去に代替エネルギー法案に反対し代わりにRPS法を通した。RPS法は単に代替資源から得た非常に少量の電気の購入を電力会社に課すものにすぎない。彼は代替エネルギー計画助成金に関する政府の対応を批判し、助成金の期間は非常に短いのでそんな不確実なものに投資する者などいないだろう、と述べた。日本が代替エネルギー資源を軽視してきたことのもっと明確な例として河野は、北海道には風力が豊富にあるにもかかわらずその利用が不十分である点を上げた。これは、北海道の電力会社がじゅうぶんな送電網を持っていないと主張したからだ。この点について河野はこう述べた — 実際には北海道と北陸本州の間には未使用の送電網がある、これらの送電網は電力会社たちが緊急時に備えて密かに持っているものだ。彼は、北海道と北陸本州の電力会社はなぜ送電網を接続できないのか、なぜもっと風力発電を取り入れないのか知りたい、と言う。

彼はさらに、経済産業省が原子力事故を隠蔽し、原子力産業に伴う本当のコストと問題を曖昧にしている、として同省を非難した。さらに、国会議員が原子力に関するアメリカ合衆国のメッセージの全体を知るのは困難であると不満を述べた。経済産業省が自分たちに都合がいいようにメッセージを取捨選択してしまうからだ、と。経済産業省の政策に合致した情報だけが国会議員に流れる。同省に対する彼の不満を説明するために河野はこう指摘する — 国会の委員会の人たちはプロの官僚で構成されており、しばしば省庁の役人 (detailee) に率いられている、と。委員会スタッフを雇ったり解雇する権限は自分にはないし、彼らへの問い合わせは即座に省庁に行ってしまう、と。

河野は核廃棄物の問題も取り上げ、日本には高レベル廃棄物を永久に貯蔵する施設もこの問題の解決策もない、と解説した。彼は日本の広範囲な地震活動と豊富な地下水について言及し、核廃棄物を保存しておく安全な場所はこの「火山国」に本当にあるのだろうか疑問であるとした。彼はまた、六ヶ所村が唯一の高レベル廃棄物を溜める一時的な場所であることを指摘した。六ヶ所村役場は最終再処理のために一時的に廃棄物を貯蔵することに同意しただけであるという。河野はこの点について、ユッカ・マウンテン・リポジトリー (Yucca Mountain nuclear waste repository) があるアメリカは日本よりも恵まれている、と述べた。ユッカの計画には反対運動があること、ユッカがまだ廃棄物を集めていないことを知って河野は少し驚いた。

未来の日本のエネルギー需要にどう対応すべきかについて河野は、日本は本当のエネルギー戦略を構築する必要がある、と述べた。彼はまた、日本はゆくゆくは100%再生可能なエネルギーに移行すべきだと思うが、廃炉が予定される原子力発電所でつくられるエネルギーを、当面は液化天然ガスを使用した発電所の同じ量のエネルギーで置き換えていくべきだ、と述べた。彼はここに再生可能なエネルギー資源を加えるのだと思われる。

河野はまた日本の選挙手続きについても論評した。彼は現行の公職選挙法に対する不満を表明した。彼によれば現行法は時代遅れであるという。例として彼が上げたのが選挙期間中にインターネットで選挙運動を行えない点である。

(以下省略)

【Viewing cable 08TOKYO2993 @ Cable Viewer @ WikiLeaks】

WikiLeaksがこの外交公電をリークしたのは東北関東大震災が起きた直後の3月15日である。何らかの意思がありそう。

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