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ヒト科の学名 - Who's who?

Smithsonian.comの "Hominid Hunting" で人類学関係のホットなエントリを書いているライター Erin Wayman さんの名前を初めて知ったのは2008年の "Geotimes - January 2008 - Out of Africa: Following the Arabian Trail" を読んだときだ。アフリカを出た人類はどのルートを通ってアジアやヨーロッパに向かったのかという、つい最近でもイギリスで話題になったこのテーマを彼女はここでわかりやすく説明している。

以下は Erin Wayman さんの1週間ほど前のエントリ "A Hominid Dictionary | Hominid Hunting" を私が翻訳したものである。掲載にあたってはWaymanさんの許可をいただいた。ありがとうございます。

ヒト科の進化の系譜を把握するのはけっこう難しい。その主たる原因は学名が外国語だからである。古代ギリシャ語やらラテン語やら現代アフリカ諸言語やらに精通している人なら話は別だが。そこで最も一般的なヒト科生物たちの学名の意味を簡単にまとめてみた。

アルディピテクス (Ardipithecus)
1990年代にエチオピアで発見された。アルディピテクス属には2つの種がある。440万年前のアルディピテクス・ラミドゥス (Ar. ramidus) と580万年前のアルディピテクス・カダッバ (Ar. kadabba) である。いずれの種名もアファール語(エチオピア、ソマリア、ジプチなどで使われる言語)である。Ardi は「地面」「床」、ramid は「根」、kadabba は「最も古い先祖」を意味する。
アウストラロピテクス (Australopithecus)
1924年レイモンド・ダートによって発見された。タイプ標本の名前は Taung Child。Taungは南アフリカの地名。属名を決めるに際してダートはふたつの古典言語から言葉を選んでそれらを合成した。ひとつはラテン語で「南」を意味する Australis、もうひとつはギリシャ語で「類人猿」を意味する pithecus。最初の発見以来たくさんのアウストラロピテクス属が発掘された。その中にはアウストラロピテクス・アナメンシス (Au. anamensis) とアウストラロピテクス・アファレンシス (Au. afarensis) がある。両者に共通する -ensis はラテン語の接尾辞であり、「~に由来する」を意味する。400万年前のアウストラロピテクス・アナメンシスはケニアのトゥルカナ湖近くで発見された。アナメンシスの ananm はトゥルカナ地方の言語で「湖」を意味する。300万年前のアウストラロピテクス・アファレンシスはアルディピテクスと同様にエチオピアで発見された。アファレンシスの afar はこの国のAfar地方の名に由来する。
ホモ (Homo)
学名ホモ・サピエンスはラテン語で「賢い男、賢い人」という意味である。ホモ・ハビリス (Homo habilis) は知られている範囲では私たちの属の中で最も古く、200万年前以上にさかのぼる。1964年タンザニアのオルドヴァイ渓谷で見つかった。最初の発見者はルイス・リーキーとメアリー・リーキーであり、オルドヴァイの名前は彼らのおかげで知られるようになった。habilis の意味は handy man である。これは、この種がオルドヴァイで見つかった石器をつくっていたであろうというリーキー夫妻の説に由来する。ホモ・エレクトゥス (Homo erectus) が生きていた時代はホモ・ハビリスよりも少し遅い。発見されたのは1890年代のジャワ島である。発見者ユージーン・デュボアはこの古代人が直立歩行していただろうと考え、ピテカントロプス・エレクトゥス (Pithecanthropus erectus) と名づけた。意味は「直立猿人」である。のちになってこの種が私たちヒト属の仲間であることが判明し、学名がホモ・エレクトゥスに変わった。19世紀にはホモ・ネアンデルタレンシス (H. neanderthalensis) が発見されている。これも私たちの属である。当初古代人とみなされていたネアンデルタール人の最初の化石はドイツのネアンデル谷で回収されたものである。ドイツ語で thal は「谷」。20世紀になると thal の綴りは tal に変わったのでそれに合わせて Neanderthal の綴りも変える人がいる。発音も異なる。
オロリン・トゥゲネンシス (Orrorin tugenensis)
この種は最も古く、600万年前の原人の一種である。2001年ケニヤのトゥゲン丘 (Tugen Hills) で発見された。Orrorin tugenensis はその地域の言語で「トゥゲン地方の最初の人または男」の意味である。
パラントロプス (Paranthropus)
1930年代にロバート・ブルームによって発見された。この属が生存していたのは今から約200万から100万年前のアフリカ南部及び東部である。パラントロプス・ロブストゥス (P. robustus) とパラントロプス・ボイセイ (P. boisei) というふたつの種はしばしば「頑強 (robust)」と呼ばれる。これはパラントロプスが堅い食物を噛むことに適応にしたからだ。彼らは巨大な臼歯と頬骨及び頭頂のトサカ状の突起を発達させており、頭頂には力強い咀嚼筋が付着している。Paranthropus はギリシャ語で「beside man」を意味する。ふたつの種はこれまでに何度も学名が変わっている。アウストラロピテクスの仲間であるとみなされていたときもある。リーキー夫妻によってオルドヴァイ渓谷で発見されたパラントロプス・ボイセイの当初の学名はジンジャントロプス・ボイセイ (Zinjanthropus boisei) だった。Zinj は東アフリカの地名 Zanj に由来し、boisei はリーキー夫妻の発掘作業を資金援助したチャールズ・ボイセイ (Charles Boisei) の名に由来する。

A Hominid Dictionary | Hominid Hunting posted by Erin Wayman】

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