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Helen Merrill, Gil Evans, Miles Davis - 3人の時代

ヘレン・メリル (Helen Merrill) が1956年から1957年にかけて吹き込んだアルバム "Dream of You" のことをネットで調べていたら彼女とギル・エバンズ (Gil Evans) とマイルズ・デイビス (Miles Davis) にまつわる逸話が出てきた。 Wall Street Journal でおなじみの Marc Myers 氏がヘレン・メリルにインタビューした JazzWax の記事。これによれば、マイルズは昔からヘレンと仲が良くて彼女の歌がお気に入りだったとか。

Dream of You by Helen Merrill
Courtesy of Wikipedia

マイルズ・デイビスが人を絶賛するのは珍しい。さらにヘレン・メリルの歌唱法がマイルズのトランペット奏法に影響を与えたかもしれない云々の話は少し眉唾だけど興味深い。

5年前つまり2010年の記事だけど日本語圏ではほとんど知られていないであろう非常に貴重な話なのでインタビューの中から一部を抜き出して翻訳した。

JazzWax: ギル・エバンズと知り合ったきっかけは?

Helen: 彼とはニューヨークにある音楽サークルにいたとき知り合ったの。彼のことは以前から知ってたわ。アンダーグラウンドの音楽の世界ではギルの噂で持ちきりだったのよ。 He was always The Man. みんなで彼のアパートメントに集まっては音楽の話をしたのよ。心温まる時代だったわ。

JazzWax: でも彼の画期的なオーケストレーション (orchestration) をバックにあなたの歌声を合わせるというアイディアを1956年の時点で思いついたのは誰?

Helen: それ私のアイディアだから。ギルは天才。クロード・ソーンヒル楽団 (Claude Thornhill Orchestra) で素晴らしい音楽を書いたのを知ってたから彼の音楽をバックに歌うのは素晴らしいものになるって考えたの。ギルを使ってくれとエマーシー・レコード (EmArcy Records) のボブ・シャッド (Bob Shad) に頼んだときはボブが心臓発作を起こすと思ったわ。最初のうち彼は「ギルは駄目だ」とピシャリと言ってたの。

JazzWax: え? なぜ?

Helen: ギルはこだわるタイプだから。規定時間を超えて楽団を働かせることで有名だったし。スタジオの料金とミュージシャンのギャラはものすごく高いのよ。何度言ってもボブは首を縦に振らなかったんだけど、「絶対にやらなきゃダメよ」と私は言い張ったの。結局ボブは私の提案を受け入れてくれた。

JazzWax: 一体どうやってギルのあの編曲を歌うようになれたの?

Helen: 難しい質問ね(笑)。彼の編曲は非常に難しいけど非常に美しい。ギルとの吹き込みから1年後巡業に出たとき彼の編曲を使ったんだけど結果はひどかった。バンドの音は音楽というよりまるで貨物列車みたいな音。ギルの編曲を正しく演奏できるのはギルだけだってわかったわ。

JazzWax: あなたは譜面を読めませんよね。どうやってあの複雑なメロディーを覚えたの?

Helen: ギルが手伝ってくれたのよ。彼とセッションをやるのはあのときが初めてで、あのセッションはまるで…そうね、まるで崖から飛び降りて空を飛ぶのを教わるような感じだった。そして私たちはやり遂げたの。

JazzWax: 1回リハーサルをやってからマスターしたわけですね?

Helen: ええ、残念だけど、そう。完全にマスターしたかというとわからないけど、やったのは間違いない。私って一度覚えたら細かいところまで忘れないのよ。

JazzWax: ギルは時間どおりに編曲を完成させたの?

Helen: (笑)。私の覚えている限りでは少し遅れたわね。彼は素晴らしい人だったわ。

JazzWax: あのときのセッションで聴けるあなたのフレージング (phrasing) はマイルズ・デイビスとギル・エバンズが1957年に作ったアルバム "Miles Ahead" と基本的なところが似ています。

Helen: どうかしら。マイルズは私のサウンドがものすごくお気に入りでよく私の歌を聴きに来てくれたわ。私たち仲が良かったのよ。彼は私の囁くような歌い方 (whisper sound) が好きだって言ってた。あれはマイクロフォーンにギリギリまで近づいて出す私のテクニックね。小さな声でほとんど囁くように歌うことでものすごく親密な感じがする音を出したの。自分の声を吹き込んでそれを聴いてマイクを使って何か別のものを作ろうとしていたのよ。

JazzWax: マイルズはあなたの囁き唱法を学んだと思いますか?

Helen: マイルズは誰からも学んでいたわ。彼の才能は驚くべきものよ。他の人から最良の部分だけを取る。それ以外の部分は捨てる。本当に鋭い人だった。私の声で彼が好きなものの一つが私の「間 (ま, space) 」 の使い方だって言ってた。「間」というのは音楽における間。それから私の声とマイクの間にある間ね。

Helen Merrill: Dream of You - JazzWax

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