ArtSaltのサイドストーリー

音楽、フリーウェア、WEBサービス、食べものなどに関する日記。トラックバック、コメント歓迎。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ArtSalt Meets Art Pepper

Art Pepper Quartet (Tampa)
recorded in Los Angeles, 1956


ウェストコースト・ジャズの特集はまだまだ続く。
この人の一連の力作を抜きにしてウエコーは語れない。あまりにも有名な人だから、他のブログやサイトでさんざんとりあげられている。だから、Introレーベルの傑作 Modern Art だけで終わりにしようかな、と思ったけど、そういうわけにはいかない。なにしろ、私のハンドルネームの由来は彼の変名だから。

関連記事
ウェストコースト・ジャズの最高傑作 その4 - Modern Art

1950年代のアート・ペッパーの作品はどれをとっても一級品と言いたいところだけど、必ずしもそうではないと思う。
たとえば、超名盤の名をほしいままにしている Art Pepper Meets The Rhythm Section (Contemporary) なんてのは、本当に超名盤なんだろうか、というのが偽らざる実感。


不思議なことにオーディオ・ファンとかオーディオ評論家とか「あまりペッパーにのめりこんでいない(?)ジャズ・ファン」にはこの盤のウケがいい。

私はもちろんペッパーにのめりこんでいる
彼がRCAレーベルで吹き込みの機会を得たとき、契約上の問題で Art Pepper を名乗れず、やむなく Art Salt という変名を使ったんだけど、私のハンドルネーム "ArtSalt" はそれにちなんだものだ


これは以前にも言ったことなんだけど、このContemporary盤でドラムをたたくフィリー・ジョー・ジョーンズ ("Philly" Joe Jones) の出来は不満だ。彼の痛快なドラミングをこよなく愛している人だったら、「一体どうしたの?」と不審に思うぐらいおとなしい。

関連記事
自由奔放なフィリーがいちばん

ペッパーにしても、いつもの「どこまで続くの? このすばらしいアドリブ!」と言いたくなる演奏とは明らかに異なる。
私の見解はタブーにふれていることかもしれないけど、同じことを公の場で述べている人がもうひとりいた。九代目の林家正蔵さんが林家こぶ平だったころ、
「この盤のペッパー、ノリきれてないヨ!」
とジャズ雑誌でおっしゃっていた。わが意を得たり、と思った。

で、とりあえず前回の Modern Art に続いてTampaレーベルの作品をとりあげることにした。



A面の1曲目 Art's Opus からペッパーのソロが全開。ひらめきがあって、明るくて、でもどこか翳り(かげり)があって、本当に「どこまで続くの? このすばらしいアドリブ!」と言いたくなるできばえ。
個人的にはA面の2曲目 I Surrender Dear がお気に入りナンバーワン。一体どうしたらこのありふれたスタンダードナンバーからこんなすばらしいソロを展開できるのか不思議であり、こういうところが、ペッパーが天才たるゆえんなんだろう。

B面2曲目の Besame Mucho はペッパーの名演中の名演としてあまりにも有名だから、スルーしようかと思ったけど、ちょっとだけ語ってみる。
この曲は本来ラテンナンバーなんだけど、ラテンのバンドがこれを演奏するのをたまに聴くと、
「あれ? 『ベサメ・ムーチョ』って、こんな味気ない曲だっけ?」
と、けっこうシラけてしまう不謹慎な私。
でも、ペッパーはシラけなかった。それどころか、この、どうってことないラテンナンバーを不朽のジャズナンバーに変えてしまった。
こういう芸当をやってのける人って、そんなにはいない。でもアート・ペッパーはいとも簡単に(?)やってのける人なのだ。


写真に写っているレコードのセンターレーベルを見てもらえればわかると思うけど、私の持っているのはビクター音楽産業がレコード番号に SMJ をつけていたころのもの(たぶん1973年の復刻盤)。児山紀芳さんが日本語解説を書いてらっしゃる。
それによると、児山さんは1971年にサンタ・モニカの「シナノン」という麻薬中毒患者の療養所にアート・ペッパーをたずねている。ペッパーから昔の話を聞かせてもらったそうだ。

そこから少し引用してみる。
適宜改行をおこなった。エンコーディングの関係で正確に表示できない文字を ? と表示。
1960年代のはじめ、アートは麻薬中毒患者として逮捕され、5年の刑をいい渡されてサン・クエンティン刑務所に送られた。
出所後、アートはジャズ界復帰をめざして、68年夏の短期間、バディ・リッチ楽団に参加、久々に同楽団のソロイストとしてレコーディングもした。
しかし、不幸にも、長い刑務所生活と、出所後の不遇な境遇のゆえに、肉体はめちゃくちゃとなり?臓が破裂するという重体に陥った。
意識不明となったアート・ペッパーを救急車が病院にかつぎ込んだとき、アートはかろじて、『コンテンポラリー・レコードのレス・ケーニッヒを呼んでくれ!』と医師に訴えた。


手術の費用はレス・ケーニッヒが負担した。
69年に退院すると、アート・ペッパーは、そのまま、再び誘惑の多い社会に出るのが怖くなり、「シナノン」に自ら進んで入所した。


当ブログが復帰後のアート・ペッパーについて語るつもりは今のところないので、ご容赦を。
Google
WWW ArtSaltのサイドストーリー
ArtSaltさんのHNはペッパーからいただいたものだったんですね。
鈍な私は全く気が付かなかったです。いやはやなんともお恥ずかしい話で…。(^^ゞ
『Meets The~』のフィリーは確かにパッとしないですね。
2006/10/13(金) 11:39:00 | URL | ぼんとろ #-[edit]
いつも不思議に思ってたんです。
ArtSaltさんのHNはどうやってつけたんだろうと。
アート・ペッパーからだったんですね。
しぶいなぁ。
ジャズには詳しくないのでyoutubeでペッパー探してきました。
You Go To My Head聞いてます。
2006/10/13(金) 23:23:44 | URL | やんやん #eqP7eH0Y[edit]
 ― ぼんとろさんへ ―

>『Meets The~』のフィリーは確かにパッとしないですね

やっぱりそう思いますか? そうですよねぇ。
こういう、タブーにふれることをもっと積極的に発言したいと思ってるんですけど、
なかなかぼんとろさんの域に達しません σ(^-^;)

 ― やんやんさんへ ―

「音楽」カテゴリに来てくださるとは、予想外でした (゚o゚ ) ホンマカイナ
YouTubeでお聴きになったペッパーの演奏を収録したCDを具体的に言うと、
これです。http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1313830#

やんやんさんがジャズファンになってくれたら、うれしいなぁ。
2006/10/14(土) 12:39:36 | URL | ArtSalt(管理人) #CkKGWawk[edit]
Web site (optional)
Comment - Need to type CAPTCHA, an image of distorted Japanese Hiragana or Katakana afterward.
Password - Not allowed to modify your comment later if password not entered.
On secret mode?
 

http://art2006salt.blog60.fc2.com/tb.php/211-5c9a1634

このブログについて

最近のエントリ

カテゴリー
あわせて読みたいブログ

あわせて読みたい

最近のコメント
Internet Explorer
よりも便利です

Opera 9 - Always secure with Opera Firefoxをダウンロード!!

相互リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。