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蝉の17年と竹の200年

アメリカ中西部で17年ぶりに大発生した17年ゼミ。
YouTubeに行って "cicada 17" をキーワードにして探してみると、あるわあるわ。
多くがイリノイ州からの映像。

YouTube - Broadcast Yourself. - Video results for 'cicadas 17'

17年ゼミ、競合少なく数増える 今夏70億匹? 米国

2007年06月05日02時46分

 17年ごとに大発生する米国の「17年ゼミ」の羽化が、イリノイ州など米中部でピークを迎えている。今年の予想発生数は世界の総人口を上回る70億匹。米国では「うるさい」「庭木が傷む」「掃除が大変」など悪役と見なされがちな17年ゼミ。しかし、その正確な体内時計には「進化の不思議」が詰まっている。

【中略】

 よく見ると、ひとまわり小さいセミが交じっている。大きい方は腹がオレンジ色なのに、小さい方は黒い。大きい方は「セプテンデシム」、小さい方は「カッシーニ」で種が違うという。ほかにもう1種、小型の17年ゼミがいるそうだ。

asahi.com: 17年ゼミ、競合少なく数増える 今夏70億匹? 米国 - サイエンス

セプテンデシムとカッシーニか …。名前を覚えておこう。
それにしても、70億匹のセミの鳴き声って、どんなんだろ。

ところで、米国には17年ゼミだけでなく13年ゼミもいる。
引用したasahi.comの記事には、「17年」という数字の生物学的、進化論的意味について、他のセミとの競合を避けるのに役立っている、という趣旨のことが書かれている。

スティーブン・ジェイ・グールド (Stephen Jay Gould) は自身のエッセイ「ダーウィン以来」 (Ever Since Darwin) でこの件に関してすばらしい洞察を披露している。

グールドの考えを私なりに解釈し、以下に要約

17年ゼミとか13年ゼミがいるなら、「15年ゼミ」というセミがいてもおかしくはない。しかし15年ゼミは存在しない。なぜか。
ところで、13とか17という数字。どこか中途半端な数字だと思わないだろうか。
これらは素数だ。"1" と、それ自身にしか割り切れない数。

仮に「ライフサイクルが15年」という15年ゼミがいたとする。
セミの捕食者のライフサイクルが3年ごと、あるいは5年ごとだとしたら?

15は素数ではない。
15年に1回大繁殖するセミは3年または5年ごとに世代交代する捕食者の餌食にされ、へたをすると種(しゅ)が絶滅する可能性もある。
(一般的に言って、生物は特定の種の生物をもっぱら捕食する。そして、喰われる者はその生態系において多数である種だ。つまり目につく奴は狙われる、ということ)
ダーウィンフィンチの例を見ればわかると思うけど、15年ゼミを効率よく食べてしまう捕食者が種として固定してしまう可能性が出てくる。

よって、13年ゼミとか17年ゼミがいても、15年ゼミというのは進化の過程でおそらく存在しなかった。
仮に15年ゼミが何かのきっかけで進化の1ページに出現し、大発生したとしても、3年または5年ごとに世代交代する種に捕食されてしまう。だから「15年ゼミ」なるものは種として固定しにくい。

13年または17年に1回の割合で繁殖期を迎える捕食者が存在したとしたら、13年ゼミと17年ゼミの運命ははかないものとなったかもしれない。
しかし、13年ゼミと17年ゼミにとって幸いなことに、そのような長いライフサイクルを有する生物はほとんどいない。
(セミに限らず虫の最大の天敵は鳥類であり、鳥の中にそのような長命の種がいるという話は聞いたことがない)


幼虫の抜け殻の数が物語る17年ゼミの大量発生
(Embedding disabled by request)

素数だけではない。ライフサイクルを思いっきり伸ばすという進化論的戦術もある。
100年とか、200年とか。

そんな生物がいるだろうか?

いる。
竹がそうだ。

竹は、種(しゅ)によっては200年に1回しか開花しないそうだ(200年継続して観察した人はいないので、確実なことは言えないけどね)。

ところで、竹の種子というのは捕食者(鳥とか熊)にとってかなり美味であるらしい。
仮に竹が毎年開花してその種子をばらまいていたら、捕食者にとってはありがたいことではあるけど、竹にとっては種の存続に関わる事態だ。

すべての竹の種ではないけど、ある種の竹は数百年に1回だけ繁殖期を持つという戦術でみずからの種を生き延びさせようとしてきた。
数百年に1回の割合で世代交代する捕食者というのはまずありえない。

もちろん200年に1回大量の種子をばらまくということは、繁殖の機会が200年に1回しかないということでもあり(後注)、200年に1回のペースで大量の生命が喰われてしまうということだ。へたをすれば絶滅する。
その意味では、種子の数が捕食者の需要を極端に上回ることも重要。捕食者の欲求を満たしてもなお多くの子孫が残るのであれば、この作戦は成功と言える。

(後注)
実際には植物は「無性繁殖」というオプションを持っているから、有性生殖にこだわる必要はないのだけれど。

【私なりの解釈、ここまで】

そういえば最近、グールドの本を読まなくなった。亡くなってから何年たつのだろう。Amazonで彼の古本をよく見かけるので、買おうかなあ。

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