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降っても晴れても(トランペットで歌うこと )

Clifford Brown / The Complete Paris Collection vol.4 (Vogue)
recorded in Paris, 1953


「天才」と称される人が多いのがなぜかトランペット吹き。
ファッツ・ナバロ (Fats Navarro) 、リー・モーガン (Lee Morgan) 、ウィントン・マルサリス (Wynton Marsalis) …

1956年に25歳の若さで死んだクリフォード・ブラウン (Clifford Brown) もまた「天才」と呼ばれるトランペッター。
天才だから夭折(ようせつ)するのか、夭折するから天才なのか。

ところで今週は、「雨が降りそうだな」と思ってたら晴れてきちゃったり、「天気予報で雨の心配ない、と言ってたから傘は持っていかなくてもいいね」と思ってたら帰宅のときに突然の大雨。

Come Rain Or Come Shine

「降っても晴れても」という有名なスタンダードナンバーがある。原題は "Come Rain Or Come Shine". 作曲は Harold Arlen と Johnny Mercer.

歌詞は … JASRACとRIAAに通報されると困るので、転載するわけにはいかない。リンクだけ。
Song Lyrics Harold Arlen - Come Rain Or Come Shine [Lyrics & Song Text Archive]

嵐が来ようが、槍(やり)が降ろうが、高きこと山の如く、深きこと川の如く、あなたを愛する … という歌だと思う、たぶん。

梅雨どきに聴くのにふさわしい曲。
(今も雨ふってるし、外出は億劫)

この曲を初めて聴いたのは、ピアノのビル・エバンズ (Bill Evans) のCD "Portrait In Jazz" だったと思う。レーベルはRiverside.
Bill Evans - Portrait in Jazz で本当に聴くべき演奏とは

名演かつ美しい演奏だけど、今にして思うのは、エバンズは旋律をやや崩しすぎ。
もっとすなおに原曲の旋律を尊重した演奏はないものか。

ある。
クリフォード・ブラウンの、Vogueレーベルへの吹き込み。フランスはパリでの1953年の録音。
原盤のマスターテープをもとに日本でキングレコードが編纂、リリースしたLPレコード(おそらく1984年ごろリリース)。"The Complete Paris Collection".
ファッション界で注目されていた「パリコレ」にちなんでつけられた "Paris Collection" というタイトルは岩波洋三さんのアイデアだったらしい。

The Complete Paris Collection のジャケット写真

このレコードを聴くと、クリフォード・ブラウンという人はトランペットで歌を歌ってしまった人なんじゃないかという気がする。
原曲の旋律を生かした、彼独自のアドリブもまたメロディアス。
いわゆる「捨てフレーズ」が全くないのも驚き。

うれしいことに、この盤、「せめて夢で」「歌こそは君」「降っても晴れても」「まるで春のよう」など、歌ものがずらりと並ぶ。
といっても決して甘っちょろいレコードではない。
ハードバップの黎明期に現れ、絶頂期の直前に流れ星のごとく消えていった、夭折のトランペッター、クリフォード・ブラウンの名演の数々。

本当のことを言うと、私はブラウニーの演奏を聴くことは少ない。どちらかというと、チェット・ベイカー (Chet Baker) みたいなラッパが好きだ。
でも、このレコードをときどき聴くと、「天才というのはこういう人のことを言うのだな」「これが本当のジャズかもしれない」などと反省する。

ジャズ界の世代抗争だった

以下はこの吹き込みにまつわる逸話。

ライオネル・ハンプトン (Lionel Hampton) 楽団のメンバーとして1953年の欧州ツアーに参加していたクリフォード・ブラウン。
このとき、Vogueレコードが御大ハンプトンの目を盗んでモダン・ジャズの若手連中の吹込みをしようと、いろんな手を打ったらしい。お目当ては当時まだ22歳だった天才トランペッター、ブラウニー。たぶんアンリ・ルノー (Hneri Renaud) がいろんな場面で画策、奔走したんだと思う。

ライオネル・ハンプトン楽団の録音の際、御大ハンプトンに酒を飲ませて泥酔させ、そのすきに別のレコーディング・スタジオにクルマで移動。そこでブラウン名義の録音をバーッとやっちゃう … なんていう作戦が本当におこなわれた。

でも、どこからか情報が漏れたらしく、数ヵ月後のストックホルムでは吹き込みの直前になって当局から「ライオネル・ハンプトン氏の許可なく録音することを禁止します」という通達が来たんだとか。
そのせいでストックホルムではブラウニーだけ外れた若手メンバーだけで吹き込み。

このあわただしいスケジュールの中で必死に編曲をおこなっていたのが若き日のクインシー・ジョーンズ (Quincy Jones) 。もちろん知名度ゼロの時代。
おそらくジョーンズは移動中のすし詰め状態のクルマの中でガムシャラにペンをふるっていたに違いない。

このようなものすごい緊張感が結果として音楽の緊張感をもたらしていたのかも。
みんな若かったから、ひたむきだったのではないかと。

この違法まがいの吹き込みの数々。大半は大きな編成だったけど、ジャズ・ファンにとっては幸いなことに、1晩だけカルテット(管楽器はクリフォード・ブラウンのラッパだけ)のセッションがあった。
それが "The Complete Paris Collecion" の vol.4 に収められている。

思う存分ブラウニーのラッパに集中して耳を傾けられる。
そんなレコード。

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